2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320039
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Research Institution | Kanazawa College of Art |
Principal Investigator |
森 仁史 金沢美術工芸大学, 大学院, 教授 (80552992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 隆 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (00275083)
山崎 剛 金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 准教授 (70210391)
伊藤 英高 東京工科大学, デザイン学部, 准教授 (20381692)
並木 誠士 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50211446)
水谷 長志 東京国立近代美術館, 企画情報資料室, 主任研究員 (50181889)
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Keywords | 美術館・博物館学 / データベース / 工芸史 / デザイン史 |
Research Abstract |
今年度は昨年検討したデータベース検索実現の為に、(1)システムの設計とテスト、(2)検索に必要なデータ整備、(3)検索の公開に向けた準備を進めた。このために2011年6月から12年3月までに7回の研究会議を開催し、議論を重ねた。これらの項目毎の主要な決定内容と論議の成果は次の通りである。 (1)データ提供を依頼した蔵田文庫(東京都市大学蔵)ほか20コレクションから、受け渡しできたレコードが18,721件と確認できたので、これに基づいてマッピングとその妥当性を検討し、データ量を想定したシステム設計を進め、一部のデータを対象としたテストを行った。また、検索用に工芸デザインに分野に特化した標準データ項目を検討し作製した。この結果をみて研究会議のなかで幾つかの改善点の指摘を受け、修正を実施し、年度内に一応の基本形を完成した。来年度の本格試験に向けた準備を終えることができた。 (2)実際に検索結果を示すときに、とくに工芸分野においては作家の信頼できる基本データに基づく必要があることが分かり、今回のデータベース検索のために人名典拠を作成することにした。東京文化財研究所が公開している『日本美術年鑑』の物故作家データ、『文学美術人名辞典』(立川書店)・『審査官列伝』(金港堂印刷、明治36年)など人名事典の関係項目、印刷博物館が編集した『1950年代日本のグラフィック展図録』掲載の作家解説をデジタル・データ化した。並行して、公開用の画像の台帳との付け合せ、トリミングなどの調整や追加撮影を実施した。 (3)協同研究者外から荒川正明(学習院大学)、堀越信一郎(武蔵野美術大学)、北澤憲昭(女子美術大学)、梅宮弘光(神戸大学)を招き、助言を得ることで、本データベースの客観性、効率化を図ることができた。また、検索窓口となる金沢美術工芸大学ホームページとの調整打合せを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度目標に掲げたデータの受理はほぼ達成することができ、これを前提としたシステムの設計とその改善も予定通り進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が進むにつれ、この分野の横断的検索の意義は誰しもが認めるところでありながら、これまで実現されていないことが明らかとなった。このため、来年度の実験の本格運用を関係者によるテストを経ることで実用的なシステム完成への道が開けると思われる。従って、来年度に実験システムが立ち上がった後は、これに基づく全国ネットでの運用へ向け研究を発展させるべきことが協同研究者の一致した見解となった。
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