2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320042
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
笠井 裕之 慶應義塾大学, 法学部, 准教授 (10265944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 淳一 慶應義塾大学, 経済学部, 名誉教授 (30051642)
朝吹 亮二 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (70159383)
朝木 由香 神奈川県立近代美術館, 学芸員 (50450797)
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Keywords | シュルレアリスム / 仏文学 / 美術論 |
Research Abstract |
(1)慶應義塾大学内の笠井裕之研究室および慶應義塾大学アート・センターで研究代表者と分担者による研究会を開催し(計22回)、前年度に引き続き以下の作業をおこなった。 ・慶應義塾大学アート・センター所蔵の瀧口修造資料の調査、本研究に関連する資料の抽出、データベース化。本年度は特に瀧口とマルセル・デュシャンの交流に焦点をあてた。 ・瀧口編訳『マルセル・デュシャン語録』の輪読、デュシャンの『グリーン・ボックス』『塩商人』(1958年)などに所収の原テクストと瀧口の翻訳との比較検討。 (2)千葉市美術館で開催された「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展(2011年11月22日~2012年1月29日)に準備作業の段階から協力し、展覧会図録に以下の論考と資料を掲載した。「『後期瀧口』に近づくために/1958年の旅-リバティ・パスポート-オブジェの店」(笠井)、「瀧口修造=マルセル・デュシャン書簡資料集」(朝木、笠井)、「瀧口修造=マルセル・デュシャン関連年譜」(朝木)。 (3)フランスに出張し、資料調査をおこなった(笠井、田中、朝木、2012年3月)。パリ近郊のAssociation Marcel Duchampでは、瀧口の書簡や贈り物のオブジェ等、マルセル・デュシャンの未亡人ティーニー・デュシャンが保管していた数多くの資料を確認した。また、パリのBibliotheque litteraire Jacques Doucetでは、瀧口と岡本太郎のアンドレ・ブルトン宛書簡を閲覧した。 本研究の最終年度となる次年度に資料展を開催し(慶應義塾大学アート・スペース、2012年12月)、以上の作業を通じて得られた知見をもとに成果を発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は瀧口修造とマルセル・デュシャンの交流に集中して研究を進めた結果(千葉市美術館の展覧会に協力したこともあって)、当初の期待以上の成果を得ることができた。本研究の骨子を定めるに至ったことは大きな収穫である。ただ、その分、デュシャン以外の瀧口のコラボレーション活動に関しては調査研究が手薄になった感が否めない。
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Strategy for Future Research Activity |
3年計画の最終年度となる次年度は、本研究の成果発表の機会となる資料展(2012年12月に開催予定)の準備が実質的な作業の中心となる。デュシャン以外の瀧口のコラボレーション相手に目を向けることも必要だが、資料展までの時間が限られていることもあり、場合によっては、本研究において(また「後期瀧口」の活動において)もっとも重要な意味をもつと思われる、瀧口=デュシャンのコラボレーション研究に焦点を絞り、さらに徹底した検討を加えるという選択肢を考慮する必要もあるだろう。この点は、次年度の本研究の進捗状況を見極めつつ、判断することとしたい。
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Research Products
(6 results)
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[Book] BIOS2011
Author(s)
ランベール,シャン=クラランス(詩), 桐村茜(画), 笠井裕之(訳)
Total Pages
24
Publisher
Maison de la Gravure Mediterranee