2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯倉 洋一 大阪大学, 文学研究科, 教授 (40176037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 俊太 京都女子大学, 文学部, 教授 (60185296)
山本 和明 相愛大学, 人間発達学部, 教授 (90249433)
神作 研一 人間文化研究機構国文学研究資料館, 研究部, 准教授 (30267893)
加藤 弓枝 豊田工業高等専門学校, 一般学科, 准教授 (10413783)
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Keywords | 上方 / 堂上 / 地下 / 小沢蘆庵 / 上田秋成 / 妙法院宮 / 歌壇 / 人的交流 |
Research Abstract |
平成23年度は、前年度に引き続き、近世上方文壇の人的交流に関係する資料・文献を収集し、その中から人的交流に関する事項をピックアップし、年表・データとして構築した。今年度新たに入力したのは、清水浜臣・伴蕎燃・村瀬拷亭・昇道・曲亭馬琴・橋本経亮・加藤景範・海量の人的交流である。かなりのデータが蓄積された結果、現時点でも人的交流を通覧するのに便利であるが、今後、追加入力と整備を行うことで、利用価値の高いデータベースになるものと確信する。 平成23年8月には、住吉大社と大阪市立大学(森文庫)において調査および打ち合わせを行った。森文庫は近世上方文壇の人的交流に関する好資料が多数あり、充実した調査が出来た。また平成23年9月には連携研究者の盛田帝子が、昨年に引き続き台湾大学図書館で、上方文壇の人的交流に関する情報を収集した。盛田は、国文学研究資料館・鉄心斎文庫伊勢物語文華館・宮内庁書陵部の所蔵資料にも調査を及ぼしている。代表者の飯倉は、フランスに渡り、ニースのシェレ美術館、パリのギメ美術館の資料調査を行うとともに、江戸時代の文人の人的交流に関わるヨーロッパの研究状況について情報収集を行った。特任研究員の浜田泰彦は大阪府立中之島図書館で調査を行った。 本研究の文献的な柱となる『六帖詠藻』については、約80パーセント翻字を終了し、一部は浜田泰彦によって補訂を行った。 平成24年3月9日には、公開研究会を開催、お茶の水女子大学の浅田徹氏を招き、「近世歌壇史のための覚書」と題する基調報告をしていただいたほか、大谷俊太ほか5名が課題に基づく発表を行った。また、3月10日には、柿衛文庫で、代表者飯倉洋一が監修した「神医と秋成」展を見学の後、打ち合わせを行い、人物交流データベースの進め方と、『六帖詠藻』翻字についての方針や索引作成方法を協議した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本共同研究の2つの大きな柱である、上方文壇人的交流データベースの構築と、小沢?庵の稿本『六帖詠藻』の翻刻がほぼ予定通りに進行しているから。
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Strategy for Future Research Activity |
上方文壇人的交流データベースは、主要なデータをほぼ入力したので、編集作業用にデータをweb上に置き、各自が気づいたものを入力できるような形にしておく。 『六帖詠藻』の翻刻については、24年度9月末までにいったん入力を終了し、担当箇所を交換して点検を行う。また索引作成について具体的なサンプルを作成する。 最終年度には、データベースのweb公開を行うとともに、報告書として『六帖詠藻』の翻字を刊行する予定。
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