2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本現存福州版大蔵経の版刻・舶載・受容展開・保管に関する総合的な基礎研究
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22320052
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
牧野 和夫 実践女子大学, 文学部, 教授 (70123081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 佳美 立正大学, 文学部, 教授 (80277748)
高橋 悠介 金沢文庫, 学芸員 (40551502)
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Keywords | 書誌学 / 宋版 / 日本仏教史 / 中国仏教史 / 国文学 / 日本中世史 / 福州版大蔵経 / 日中交流史 |
Research Abstract |
多くの研究者の協力を得て行った、版本の基本的な識別基準「刊・印・修」に関する詳細な調査によって、版刻の実態、日本への舶載経緯などを解明しつつあるが、この個々に行われた調査の成果を更に深め、実地調査の継続・完成を目指し相互に比較検討の継続的な調査を行った。 23年度においては、基本的には初年度よりの継続として、以下の研究計画・方法で行った。 1研究会の開催:第一回研究会を平成23年6月17日、国文学研究資料館特定研究班と共催で行った。印刷博物館の特別展「空海からの贈り物」を閲覧の後、牧野和夫が発表した。 また、平成24年1月14日、神奈川県立金沢文庫において開催された国文学研究資料館特定研究班の第二回研究会に中村一紀・野澤佳美・高橋悠介・牧野が参加した。研究協力者の中村一紀の発表があった。 2知恩院・醍醐寺などの継続的な調査を行った。醍醐寺については、8月18~21日。参加者:中村一紀・高橋悠介・太田有希子・牧野和夫 知恩院については、12月26~29日。参加者:牧野・太田・植田麦・森誠子・藤巻和宏・大橋直義 醍醐寺・知恩院の調査においては、帙表紙の有無・原態か旧補か、毎板の版心の位置、印面状態の良し悪しなどの書誌的項目に留意した詳細な記述を心掛けた。 宗像大社については、11月11~12日。参加者:中村・牧野・森 2011年度に引き続き、書写一切経と、底本の宋版大蔵経との同異を検討、前回の調査と同様に、従来の報告書に未記載の書写底本の刊記・印造記などが多く発見。 3その他、24年2月19~22日、参加者:牧野・森・矢口郁子、泉涌寺所蔵の宋版・泉涌寺版の調査に着手。 牧野個人で行った調査としては、2月28~29日、叡山文庫などの調査がある。また、3月22日、増上寺の宋版一切経の内大般若波羅蜜多経30帖の閲覧(牧野)を行い版式の変化を確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的の重要な一つであった日本舶載現存の福州版大蔵経の各蔵の刷印時期、その先後を、想定していたよりも一年以上早く確定できたことが成果としては大きい。調査も概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に得た成果を更に深化し、統一な書誌事項の記述を目指し、調査を継続する。24年度以降は、福州版大蔵経の裾野として展開する他の宋版仏書へ調査の対象を広げることが必要となる。宋版律三大部・注疏記類をモデルケースとして着手する予定である。
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Research Products
(4 results)