2012 Fiscal Year Annual Research Report
能楽資料学構築に向けた金春家旧伝般若窟文庫の総合的文書調査
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22320053
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
宮本 圭造 法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊海 孝充 法政大学, 文学部, 准教授 (30409354)
高橋 悠介 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 研究員 (40551502)
石井 倫子 日本女子大学, 文学部, 教授 (50328887)
山中 玲子 法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 金春 / 能楽資料 / 謡本 / 伝書 / 型付 |
Research Abstract |
①データベース化に向けた目録の入力 前年度に引き続き、般若窟文庫の資料目録の入力作業を行った。すでにすべての目録データの入力が完了し、実際の資料との照合、データ確認の段階に入っている。順調に進めば、次年度中にウェブ上での目録公開が可能になる見込みである。 ②般若窟文庫の資料撮影・デジタル化・撮影資料の紙焼化 今年度は、般若窟文庫の資料のうち、伝書抜書・謡本・書状などの史料を中心に三百点近い資料の撮影を行った。具体的には、世阿弥伝書・金春系伝書の抜書、戦国期~江戸初期の金春流節付謡本、南都春日若宮祭礼や江戸城での能に関して役所に提出した願書の写し、それに対する返状などである。般若窟文庫には、この他にも膨大な謡本や雑多な書付が残されており、これらについては未だ撮影・デジタル化が完了していないが、最終年度にあたる次年度中にはほぼすべての金春家旧伝文書の撮影とデジタル化を終了する見込みである。また、昨年度から、撮影したデジタルデータをもとに、紙焼き写真へのプリントを行い、すでに撮影した資料については、今年度中に全てのデータの紙焼化を完了した。これによって、資料の閲覧・通読が容易になり、型付研究や目録のチェックへの活用が可能になっている。 ③関連資料の調査・撮影 金春家旧伝文書に関連する資料として、伊達家旧蔵の能楽伝書、個人蔵の金春大蔵家伝書の調査・撮影、大阪天満宮蔵の江戸期の社家日記に見える演能記録の調査などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度中に完了する予定であった目録のデータ入力を年度内に終えることが出来、最終年度中にウェブで公開する目途が立った。資料撮影も般若窟文庫のほぼ七割にあたる資料の撮影が完了し、最終年度にはおおむね全体の撮影が完了する見込みである。一方、今年度は目録の整備と資料撮影に重きを置いたため、関連資料の調査・撮影については、当初の予定に比して、十分な成果が上がっているとは言い難く、研究会の立ち上げについても、実現にはいたっていない。ともに次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
般若窟文庫の金春家旧伝文書の撮影を次年度も継続して行い、研究期間中に全資料の撮影を完了する。また、金春宗家蔵の能楽資料など、関連資料の調査を広範囲に行い、それらの資料調査を踏まえた研究会を早期に立ち上げる。それとともに、その成果を研究集会やインターネット上で一般に公開していく。
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Research Products
(2 results)