2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22320058
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
竹内 勝徳 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (40253918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 勤 九州大学, 言語文化研究科(研究院), 教授 (10216731)
大島 由起子 福岡大学, 人文学部, 教授 (40168919)
稲冨 百合子 福岡大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50526514)
高野 泰志 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (50347192)
城戸 光世 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (10351991)
井上 間従文 一橋大学, その他の研究科, 准教授 (50511630)
|
Keywords | ラルフ・ウォルド・エマソン / ナサニエル・ホーソーン / エドガー・アラン・ポー / ハーマン・メルヴィル / ヘンリー・ソロー / ハリエット・ビーチャー・ストー / アメリカン・ルネッサンス / トランスアトランティック研究 |
Research Abstract |
本年度は、アメリカン・ルネッサンス作家(エマソン、ソロー、ホーソーン、メルヴィル、ポー、ストーら)の資本主義思想に対する立場を明らかにすると共に、彼らの作品に表れた大西洋交易のイメージを分析するという目標を立てた。 この目標を達成するため、本研究グループでは、(1)月例会を開催する中、メルヴィルの長編作品を精読し、コスモポリタニズムや移民表象につてい検討した。(2)8月17日~19日に夏季セミナーを開催し、マシーセンの『アメリカン・ルネサンス』を精読した。このセミナーではコメンテーター(成田雅彦氏)や特別講師(飯野友幸、高尾直知、阿部公彦各氏)を招聘し講演をお願いした。飯野氏と高尾氏は『アメリカン・ルネサンス』の訳者であったため、貴重な意見を拝聴できた。(3)ボストンやローマ等に出張し、国際メルヴィル学会での研究発表(ローマ大学)や現地調査(ボストン)を行った。(4)各研究者はそれぞれの担当分野について研究を行い、各研究誌、並びに各学会で成果発表を行った。(5)トランスアトランティック研究の権威であるシドニー大学のポール・ジャイルズ氏、並びに、『ピーボディ・シスターズ』の著者であるエマソン大学のメーガン・マーシャル氏を招聘し、講演活動や国際シンポジウムを開催した(メーガン氏については予算繰越による)。彼らと論議することで、視差領域としての環大西洋やホーソーンのヨーロッパでの家族事情など、本研究の中枢に関わる非常に大きな知見を得ることができた。 あらためて、アメリカン・ルネサンスの作家たちは、物理的移動においても想像力の面でも、アメリカ本国には限定されず、様々境界を飛び越えて豊かな世界観を形成するに至ったということが論証されたと考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
月例会や夏季セミナーなど、順調に開催することができた。夏季セミナーのゲストやジャイルズ氏、マーシャル氏の招聘も円滑に行うことができた。それによって、アメリカン・ルネサンス作家の資本主義に対する立ち位置や作品に表れた大西洋交易のイメージをうまく抽出することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度が本研究の最終年度となるため、これまで蓄積してきた調査結果や研究成果を凝縮して形にしなくてはならない。平成24年度末に本研究の集大成となる論集を彩流社より発行する予定である。
|
Research Products
(23 results)