2010 Fiscal Year Annual Research Report
文学研究の「持続可能性」-ロマン主義時代における「環境感受性」の動態と現代的意義
Project/Area Number |
22320061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西山 清 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00140096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植月 惠一郎 日本大学, 芸術学部, 教授 (10213373)
川津 雅江 名古屋経済大学, 法学部, 教授 (30278387)
大石 和欣 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (50348380)
吉川 朗子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60316031)
金津 和美 同志社大学, 文学部, 准教授 (90367962)
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Keywords | 環境感受性 / ロマン主義 / デイープ・エコロジー / 動物愛護 / ナショナル・トラスト / 哲学 / 観光(ツーリズム) / 環境批評 |
Research Abstract |
(1)他研究領域における「環境感受性」論の検証 「公共圏」や「環境保全」など環境をめぐる現代の議論や、経験科学・哲学における「感受性」の文化史を検証し、環境批評および本研究への接合を図り研究の基盤を構築。(西山、金津、川津、植月) (2)身体論と環境感受性 「環境感受性」の原型を、近代の身体論や自然哲学に遡及することで、material-physicalな側面から 「環境感受性」解釈の革新を図った。(直原、小口) (3)ロマン主義哲学とディープ・エコロジー ディープ・エコロジーをロマン主義哲学の問題として捉え直した。コウルリッジの神学におけるcosmologyの有機的統一を「極理論」により分析し、現代の環境意識とのつながりを解明。(直原、大石) (4)発展的研究課題 i)ロマン主義におけるジェンダーの問題を環境感受性の観点から解釈。ii)動物愛護意識の発展を近代とロマン主義の感受性の流れに追った。iii)ロマン派の「場所」意識や、それに連なる観光文化を、環境感受性の点から考察。iv)ロマン主義の環境感受性が19世紀の環境論やナショナル・トラスト運動へ展開する過程を追跡し、現代の環境思想の基盤を解明。v)環境感受性に伴う感覚への渇望が、社会構造と文化装置として実体化するさまをヴィクトリア朝のイギリスに追った。(川津、植月、吉川、大石、西山) (5)海外研究者との連携 上記研究プログラムの遂行にあたり、James McKusick (University of Montana)、Christoph Bode (LMUMunchen)による講演会を催し、またメンバーによる研究会を2度実施した。
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Research Products
(24 results)