2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国文学研究における新たな可能性―詩跡の淵源・江南研究の構築―
Project/Area Number |
22320067
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
植木 久行 弘前大学, 人文学部, 教授 (20160153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 梁 弘前大学, 人文学部, 教授 (20281909)
松尾 幸忠 岐阜大学, 地域科学部, 教授 (20209505)
許山 秀樹 静岡大学, 情報学部, 教授 (10257230)
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Keywords | 詩跡 / 歌枕 / 俳枕 |
Research Abstract |
本年度は、4年間にわたる共同研究の、最初の年であるため、8月24日、弘前大学で研究会を開催して、研究の進展と体制固めを行った。研究の代表者、並びに研究分担者の発表題目は、以下のごとくである。植木「第一次中国詩跡調査地とその意義」、松尾「『輿地紀勝』と『方輿勝覧』の成立の背景について」、李「叙景詩と詩跡-朱子の武夷山を詠む詩を中心に-」、許山「詩跡のデータベース化と課題」。 また今回は、詩跡の研究者として愛知淑徳大学の寺尾剛教授を招いて、「李白と金陵詩跡」を発表していただいた。各自の発表に対して、招待の研究者を交えて活発に議論し、詩跡の淵源たる江南の諸相に対する知見を深めた。 本年は最初の詩跡調査として、9月6日から8日間にわたって、広義の江南地方の詩跡を効率よく、集中的に実地調査した。この調査は、李・松尾・許山の全員で行った。今回の主要な探訪地は、浙江省杭州市→紹興市→諸曁市→金華市→衢州市→福建省武夷山市→福州市→泉州市である。この調査によって、南宋・陸游の故居の跡の荒廃、諸曁市苧羅山の西施殿の整備、金華市の八詠楼の存続など、対照的な詩跡の現状を理解できた。そして金華市・衢州市・泉州市等の詳細な市街地図や、『爛柯山志』『歴代詩人詠蘭亭』『武夷山志』(点校本)等を入手できた。今回の実地調査を踏まえた詩跡研究の一端として、写真を付した解説文をWeb上の中国詩跡で発表し、公開に努めている。
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