2011 Fiscal Year Annual Research Report
『世説新語』劉孝標注の漢魏六朝文献に関する総合的研究
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22320068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐竹 保子 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20170714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 安 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30195036)
齋藤 智寛 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (10400201)
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Keywords | 中国文学 / 中国哲学 / 東洋史 / 漢魏六朝 / 世説新語 / 劉孝標 |
Research Abstract |
平成23年5月に入ってのち、メール会議によって、以下の事どもを実施した。 (1)『世説新語』劉孝標注の底本が金沢文庫本宋本(文学古籍刊行社影印、一九五五年)であることを、再確認した。 (2)底本に対して、参照すべき諸本を再確認した。 (3)研究代表者・研究分担者・連携研究者それぞれの、訳注担当部分を再確認した。 (4)訳注作成のために必要な文献を再確認しつつ、情報を交換し、それらの実物を送受し、また購入することを再確認した。 同年7月25日に、『世説新語』徳行篇のうち、昨年の学術雑誌『東北大学中国語学文学論集』第15号に掲載できなかった「『世説新語』劉孝標注訳注稿」草稿を、担当者が作成して、全員に配信した。それらを、メンバーが夏休み中に仔細に検討し、それぞれメールや口頭によって、多くの補足や訂正を寄せた。 同年8月中旬から、研究代表者の佐竹保子が中国北京市北京大学にて資料収集を行い、10月初めに、研究分担者の斎藤智寛が、中国河南省にて資料収集を行った。 同年9月25日に、上記7月25日に配信した草稿について、メンバーの意見がまとまり、定稿が作成された。これを『東北大学中国語学文学論集』第16号に掲載した。雑誌発行に当って、80部の抜き刷りを作成した。抜き刷りは、関係する研究者・研究機関に配布し、識者の助言や教導を求めた。 また、『世説新語』および劉孝標に関わる時代の論考を、研究代表者の佐竹、研究分担者の川合、斎藤がそれぞれ刊行し、さらに学会・研究会で口頭発表を行った。詳細は「13.研究発表」に記した。このほか、連携研究者の塚本信也は、「芻蕘の諸相」(『東北大学中国語学文学論集』第16号)、狩野雄は「「戀」する潘岳」(同)を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
訳注作業そのものはおおむね順調に進展している。ただ、注として付すべき項目と記述量が多すぎて、原稿が大部となり、学術雑誌『中国語学文学論集』の許容する制限枚数を越えてしまっている。それでも平成22年度は制限枚数を越えて掲載してもらったが、平成23年度発行の『中国語学文学論集』第16号は、定年退職する教授の記念号であったために、総数15本の論稿が集まり、他の論稿との兼ね合いで、本訳注も制限枚数を守らざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初の方針通りに推進して行く。 ただ、当初に予測したよりもはるかに、訳注が大部の長篇となっている。これは、それだけ詳細な訳注が作成されていることを意味しており、悪いことではない。また、注として付すべき項目や記述量を制限するのは、研究上誠実とはいえない。 しかしその大部で長篇の訳注を、すべて学術雑誌に掲載するのは難しい。「11.現在までの達成度」に記したように、平成23年度発行の『中国語学文学論集』第16号では、他の論稿との兼ね合いにより、該訳注稿も制限枚数を守らざるを得ず、すべてを掲載することができなかった。だが、平成24年度発行の『中国語学文学論集』第17号には、制限枚数を越えてもできるだけ多くの量を掲載することができるよう、働きかける予定である。
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Research Products
(8 results)