2010 Fiscal Year Annual Research Report
コエ語族ガナグループの系統分類の再検討:シフトかイノベーションか
Project/Area Number |
22320080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Reitaku University |
Principal Investigator |
大野 仁美 麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70245273)
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Keywords | コイサン / 歴史 / 分類 / 親族名称 / 文法 / コエ |
Research Abstract |
現地調査を実施し、1.親族名称調査と2.文法調査の両方を実施した。 1-(1) 親族名称調査は、ニューカデにてツェラ語話者と、クーケおよびニューカデにてハバ語話者と、ドゥートゥエにてホアン語話者とそれぞれ面接調査を行い親族名称・親族動詞・行動規範に関する資料を収集し分析した。このうち=Haba語に関しては、同語群とされるグイ/ガナとは異なり隣接のナログループと同じ体系およびCognateを多数持つことを明らかにした。また、ナログループとガナグループ間の語彙比較及び体系比較をすすめた。 1-(2) コエ語族内で、親族分類の手順としてseniorityがどのように計算されるかを詳細に記述し、2つのタイプが存在することを示した(Ono 2011)。 2-(1) 文法調査は、会話テキスト資料(大野2011)を利用して、文末に生起すると思われる?aの使用制限について面接調査した。?aが埋め込み文の中にも生起すること、使用が必須の場合とそうでない場合があることを明らかにした。 2-(2) 名詞を修飾する成分が2つ以上ある場合、それらがどのように連結されるかを調査した。NP内におけるheadとmodifierの連結は、コエ語族のなかでもっとも広く見られる現象の一つで、それが(それらの連結に用いられるPGN辞のelaborationがもっとも進んでいると思われる) グイ語でどのような方策がもちいられているかを明らかにするのは、今後の比較考察のための基礎となる知見を提供するものである。 3. 文法分析に利用するため、新規にフォークロアの収集を行った。
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