2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会により順応するための「気付かれない方言」教材の作成とその方法論の構築
Project/Area Number |
22320096
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
馬場 良二 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30218672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 礼子 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10336349)
吉里 さち子 熊本県立大学, 文学部, 講師 (20544448)
嵐 洋子 杏林大学, 外国語学部, 准教授 (90407065)
黒木 邦彦 甲南女子大学, 文学部, 講師 (80613380)
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Keywords | やわらかい方言 / 気づかれない方言 / 心地よい共通語 / 地方中核都市 / 熊本市内方言 / 初対面の相手とのコミュニケーション / 日本語教材 |
Research Abstract |
日本社会で初対面の相手とコミュニケーションをとるとき、多くの場合は共通語をつかう。ただ、この共通語は学習者が教室で学ぶ日本語とは幾分ことなり、その地域の方言の影響を受けた「心地よい共通語」である。「心地よい共通語」は、「やわらかい方言」と「気付かれない方言」とを特徴とする。「やわらかい方言」とは、デス・マス体の会話の中でも使われる方言語句であり、「気付かれない方言」とは、共通語の形をしていて使い方が方言独特のもの、そして、その方言に特有の談話の流れである。それらを抽出し、教室で学んだ日本語にプラスすることによって、地域の日本人が心地よく感じる共通語を効率的に身につけることのできる中上級用教材を作成し、教材作成の方法論を構築する。 ■自然発話に関して、前年度の録音の量が不充分であったため、引き続き熊本市および周辺地域在住の熊本方言話者による生の会話を録音した。 ■ロールプレイ。会話の流れ、談話の構造の方言的な特徴を明らかにするため、ロールプレイで会話を作成してもらい、録音、収集した。 ■前年度文字化した談話データから方言要素を抽出した。抽出した言語要素についてはデータセッションを行い、方言性を判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
自然発話音声の文字おこしに時間がかかった。ロールプレイの録音が完了しなかった。 もっとも手間取ったのは、方言要素の抽出で、どこまでを方言要素と認めるか、そして、それをどのように分類するかの議論に手間取った。
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Strategy for Future Research Activity |
方言要素の特定とその分類をし、その上で、方言音声の文字化テキストにタグ付けをしていく。この作業自体、先例もなく、大きな研究テーマとなることが分かった。方言テキストの完成を目指す途中の段階ではあるが、まとめて発表するようにしたい。
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Research Products
(1 results)