2013 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会により順応するための「気付かれない方言」教材の作成とその方法論の構築
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22320096
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
馬場 良二 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30218672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 礼子 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10336349)
大山 浩美 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 研究員 (00590126)
大庭 理恵子 熊本県立大学, 文学部, 講師 (80618009)
吉里 さち子 立命館アジア太平洋大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20544448)
嵐 洋子 杏林大学, 外国語学部, 准教授 (90407065)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 気づかれない方言 / やわらかい方言 / 日本語教育 / データベース型教材 / 自然談話とロールプレイ談話 / 熊本方言 / 地域社会 |
Research Abstract |
本研究は、地方在住の日本語学習者がその地域社会により順応できるようにするための方言教材の作成とその方法論の構築を目的としており、最終年度にあたる平成25年度は、成果物として中上級学習者用熊本方言教材を作成した。教材は日本語学習者が、耳にした方言形式を検索し、その意味や文例を調べることのできるデータベース型教材である。 本研究では、自然談話とロールプレイ談話の2種類の談話資料を収集してきた。録音した自然談話を書き起こし、これにタグをつけることで、データベースとして活用することができるようになった。 平成24年度までに13時間分の自然談話の書き起こし作業が終了しており、平成25年度はタグ付けすべき方言要素の絞り込みと確認を行うとともに、タグ付け作業を進めた。「バイ、タイ」のような文末詞、「を」に相当する「バ」のような助詞や、形容詞のカ語尾のような文法的要素の他、「スル+ト」が促音化「スット」になるといった音声的要素についてもタグを設定した。このタグを自然談話の文に付した。このデータベースは本研究グループが開発した独自の検索エンジンで検索することが可能である。 また、方言には共通語とは異なる形式を持つものと、共通語と同じ形式でも使用法の異なるものがある。このような方言の使用例を分析するために、熊本方言話者の自然談話とロールプレイ談話を収録した。ロールプレイ談話は、熊本方言話者だけでなく、比較対照するため、東京方言話者からも収集した。収集した談話を分析した結果、熊本方言話者は東京方言話者に比べ、「Vトク(テオク)」「Vテミル」「Vテモラウ」など補助動詞を使った表現を多用することがわかった。これらの表現を加えることで「丁寧さ」や「柔らかさ」を表したり,話し手の意図性を表していると考えられる。このロールプレイ談話分析については、平成25年度9月に日本語教育方法研究会で研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)