2012 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得の研究成果に基づく効果的な英語教授法・指導法の開発
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22320101
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀樹 金沢学院大学, 文学部, 准教授 (50440590)
坂内 昌徳 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60321387)
柴田 美紀 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90310961)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 英語教授法 / 否定証拠 / 誤りの訂正 / 明示的文法説明 / 第二言語習得 / 主語の習得 / 複数形の習得 |
Research Abstract |
文字数の関係上、本科研費でおこなった2つの研究のみを紹介する。 1つ目は、白畑と柴田がおこなった研究である。日本語を母語として英語を習得する大学生(JLE)を英語の習熟度別に2グループ(Low levelとIntermediate level)に分類し、英語の主語卓越構文を題材に明示的文法説明の効果について検討した。このようなJLEに、英語の主語について否定証拠を中心とした明示的説明を与え、その教授効果について検証した。その結果、明示的文法説明はIntermediate levelには有効であったが、Low levelには有効ではなかったことが判明した。本研究で対象項目とした英語構造の説明を理解し、運用するためには初級レベルの習熟度では対処ができないのではないかと推測される。さらに、これはL2習得が段階的に発達していることの間接的証拠であり、当該学習者の現段階の習熟レベルをはるかに超えたメタ言語的説明は効果が薄いことを示唆している。 2つ目は白畑と横田が、英語の名詞複数形、特に物質名詞と複数形の関係について取り上げた研究をおこなった研究であるが、大学1年生から収集した実験データは、明示的文法指導が学習者の文法知識を確実なものにするのに効果的かどうかについて、学習者の習熟度や文法項目やその特性によって(比較的)効果のある場合と、(比較的)効果のない場合があるということを示した。普通名詞の単数形・複数形の規則は、中学校、高等学校で比較的よく身につけてきているが、物質名詞に関連する複雑な規則になると極端に定着率は低くなっている。そのような規則を大学生に対して短期間の明示的指導をおこなってもさほど効果的ではないことをデータは示すことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
4名とも積極的に研究を行っており、ペースは順調である。4名の共同発表も行っており、海外での国際学会での研究発表も遂行している。今年度も積極的に成果を発表する予定でいる。研究成果も日本の英語教育に生かすことができそうな結果がたくさん出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの3年間と同様に、積極的に研究を続けていきたい。特に、本年度は最終年度であるため、4年間の研究成果をぜひとも書籍の形で出版したいと考えている。
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