2013 Fiscal Year Annual Research Report
第二言語習得の研究成果に基づく効果的な英語教授法・指導法の開発
Project/Area Number |
22320101
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀樹 静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 教授 (50440590)
坂内 昌徳 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (60321387)
柴田 美紀 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90310961)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 第二言語習得 / 誤り訂正 / 明示的指導 / 修正fフィードバック / 習得順序 |
Research Abstract |
学習者が体系的に誤りをすることは「当たり前」のように考えられがちであるが、これは「おかしなこと」である。学習者は基本的に「正しい形のインプット」しか受けていないからである。最も身近で、最大のインプット源の教科書の英文には誤った文法形式が含まれていない。「正しい形」のみをインプットしているのであるから、そのままま覚え、それをアウトプットするのであれば、学習者は誤りをすることはない。しかし、現実はそうではない。学習者は誤りを体系的にする。外国語学習でも丸暗記して覚えていくわけではない。「教えれば覚える」という単純な言語学習メカニズムに基づいて言語は学習されていかないことを物語っている。 本研究では以下の仮説を支持する実験を数多く行った。1. L2学習者の誤りに対する教師の働きかけ(明示的指導)は短期的には多くの項目に対して効果的である。2. しかし、長期的には、有効である項目と、そうでない項目がある。つまり、誤り訂正は全ての項目に同質に効果的ではない。3.長期的に有効でない項目は、文法的な機能を伝えることを主とする項目、有効である項目は、意味の伝達が含まれる項目である。4. 明示的指導によって、文法形態素の難易度順を変えることはできない。5. 誤り訂正の効果も低く、習得が最困難になる項目は、母語転移の影響に依るというよりも、その項目の内部規則の複雑さが原因となっている。6. ある単一の文法項目であっても、その内部の下位用法により習得の困難度に差が生じる。7. 概念的な難しさではなく、形式的な学習をすることが中心となるものには反復練習が有効である。8. 誤り訂正の有効性は学習者の習熟度と関係が大きい。9. 誤りをほとんどしない項目もある。10. 習熟度が上がれば、多くの誤りが自然に減っていく。11. 習熟度が非常に高くなっても誤りが全てなくなるかはわからない。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
|