2011 Fiscal Year Annual Research Report
外国語コミュニケーション能力育成のための日本型CEFRの開発と妥当性の検証
Project/Area Number |
22320108
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
川成 美香 明海大学, 外国語学部, 准教授 (60224804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 秀夫 目白大学, 外国語学部, 教授 (90091389)
笹島 茂 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80301464)
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Keywords | CEFR / Japan Standards / 外国語教育 / 到達指標 / コミュニケーション能力 / 英語 |
Research Abstract |
本研究の目的は、グローバル時代における日本人の「外国語コミュニケーション能力(特に英語)の到達指標のナショナル・スタンダード化」を目指して、新たな基準であるJapan Standards(JS)の策定および教育現場での運用方法を提案すべく、実証的研究および検証を行うことである。2年目である23年度は、JS(第1版:全12レベル)の言語能力記述一覧の完成をめざして、22年度に再策定がほぼ完了している上位6レベルの精緻化に加えて、下位6レベルのディスクリプターの能力記述文の改善を行い、さらに、言語材料(語彙、文法構造、表現)の充実を図るための方法論を検討した。具体的には、1)上位6レベルの精緻化には、22年度末に行なったフィンランド教育省や、スウェーデン・ヨーテボリ大学のCEFR専門家から聴取した意見を反映させ、2)下位6レベルの再策定には、日本の各学校段階のCEFRなどにも詳しいベテラン教師(研究協力者3名)との複数回におよぶ検討会を実施し、とりわけ3)日本で開始したばかりの小学校英語教育に相当するPreA1レベルの検討には、この分野に詳しい民間出版社の研究者から専門知識を聴取し参考とした。4)さらにPreA1レベルを細分化するために、小学校英語教育にも詳しいCEFR専門家に原案作成のアイデアを求めて、その原案はほぼ完成している。5)言語材料の提示(原案の再策定)には、CambridgeESOLのEnglish ProfileやEQUALSの基軸を参照するという基本方針を確認して、24年度に具体化する。これらの段階的なJS策定方法は、研究者の知識と現場教師のノウハウを統合させるという点で重要なプロセスである。また、23年度は国内外での学会発表(第16回AILA国際応用言語学会、第50回JACET大学英語教育学会、第16回全国私立大学附属・併設中学校・高等学校教育研究集会など)を積極的に行った。得られたフィードバックは最終年度にむけてJSの現場実践ならびに最終版確定に有効な指針となるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年計画の概要は、最初の2年聞で、JS(12レベル)の言語能力記述一覧表(ディスクリプター+言語材料)の第1版(日本語版と英語版)を策定し、最終3年目がJSを教育現場で実践活用するというものである。下位6レベルの英語版作成と言語材料の再策定は、最終年度に継続となるが、おおむね順調な進展といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終24年度は、JSの教育現場での実践活用が大きな目標である。教育実験を行う具体的な小学校、高等学校、大学は、24年5月現在ほぼ確定している。具体的な実施案、事前事後のアンケート調査などを準備中である。これらの各学校段階でJSを具体的に使用することから得られる知見を反映させる形で、24年度末には、JS(最終版)およびJS実践のためのアクションプランを併せて公開する予定である。
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Research Products
(13 results)