2010 Fiscal Year Annual Research Report
言語教育におけるクリティカル・シンキング能力に関する到達目標・評価基準の開発研究
Project/Area Number |
22320111
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松本 佳穂子 東海大学, 外国語教育センター, 教授 (30349427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 由紀江 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (20293251)
大野 秀樹 大東文化大学, 経済学部, 准教授 (40343628)
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Keywords | 異文化対処能力 / クリティカル・シンキング / Can-doリスト / 外国語教育 / 到達目標 / 評価基準 / アンケート調査 / パイロット実験 |
Research Abstract |
初年度の目的は北米・ヨーロッパのクリティカル・シンキング及び異文化対処能力の到達目標・評価基準を調査し、それを基に構成要素の検討・アンケート調査などを行って(=演繹的検証)、次年度実際にパイロット実験に使う(=帰納的検証)Can-doリストの初案を作成することであった。 予定していた訪問先の中にはウェブ上の情報や日本支部において十分な情報が得られたものもあったため、訪問先には少し変更があったが、上記の分野に関する北米・ヨーロッパの主たる研究成果と情報をまとめ、それを11月23日にシンポジウムを行って報告及び議論した。更にアメリカのクリティカル・シンキングの権威であるピータ・ファシオン博士やヨーロッパの異文化対処能力の権威であるマイケル・バイラム博士などに助言を頂き、異文化対処能力とクリティカル・シンキング能力をCan-do項目化した。そしてそれについて実施した学生用・教員用のアンケートの分析結果を基に、共通部分の検討や項目の修正を行った。 異文化対処能力の方は、アンケート分析から得られた知見について、MCC(言語の認知的・社会言語学的側面を扱う国際学会)で発表し、ヨーロッパの研究者から貴重な意見を得ることができた。また、ヨーロッパ評議会の言語政策部が作成している異文化対処能力を育てる省察型教材「Autobiography of Intercultural Encounters(異文化との遭遇についての振り返り日記)」をMoodle(LMS)にアップロードして日本の学生に試験的に使用してもらい、フィードバックを収集して日本の学生に合うように修正を加えた。 次年度はこれら初案のCan-doリストと教材を実際に大学の外国語教育(主に英語教育)の現場で使用するパイロット実験を通じて、到達目標・評価基準としてのCan-do項日の妥当性・信頼性を高めて行く。
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