2011 Fiscal Year Annual Research Report
高専における教育の特色と高専生の気質を考慮した英語教材の開発と実用化
Project/Area Number |
22320116
|
Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
武田 淳 仙台高等専門学校, 総合科学系文科, 教授 (60270196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 太一 岐阜工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (60214558)
穴井 孝義 大分工業高等専門学校, 一般科, 教授 (10222639)
森 和憲 香川高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (60353330)
中井 大造 米子工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (40141915)
青山 晶子 富山高等専門学校, 国際教育センター, 教授 (40231790)
|
Keywords | 英語教育 / 高専教育 / 英文法指導 / プレゼンテーション / 語彙 / テクニカル・ターム |
Research Abstract |
本研究は、全国の高等専門学校(以下、高専)に勤務する英語担当教員11名が協力して、高専における英語教育をより効果的・効率的に行うために、高専における教育の特色と高専生の気質を考慮した英語教材の開発と実用化を目的とするものである.担当教員は全員、全国高等専門学校英語教育学会(以下、コセット)に所属する英語教員であり、これまでも「高専生のための必修英単語COCET3300」や「ESPにもとづく工業技術英語」などの高専生あるいは埋工学系大学生を対象とする英語教材を開発してきた実績をもつ。本研究は、平成13年度に活動を開始した1高専生に特化した英語教材開発プロジェクト」の延長線上に位置するものである。 初年度であった平成22年度には、オンラインのみならずオフラインの会議も開催し、(1)高専生の低学年から高学年にわたって基礎英文法の概念がどれだけ習得されているかを調査し、その特徴を明らかにしながら、(2)高専生の英語学習の実態にあわせた英文法学習のアプローチを探り、(3)高専生に特化した英文法指導書の章立てを検討し、項目を整理した。 (1)については、ほとんど全ての高専が1・2年次に週2ないし3時間をかけて基礎英文法の定着を目的とする授業を展開しているものの、4・5年の高学年次に選択教科が増えるにつれて相対的に英詣の授業時間が減少し、その結果、高学年における基礎英文法の定着が達成されていないという現実が明らかになった。また、このことで(2)に対する必要性が高まりつつあることがわかった。さらに(3)については、共同研究者全員がこれまでの授業経験に基づいて章立てについてのブレインストーミングを行い、他に類を見ない独創的な文法指導の章立てをまとめることができた。この章立てのとりわけ大きな特徴は、従来は1年次後期から2年次前期にかけて教授されることが多かった基本5文型の概念を1年次の導入時に理解させることでスパイラル学習の基礎を早期に確立することと、仮定法過去完了や倒置といった理系学生にとって触れる機会がさほど多くない文法事項に低いプライオリティを持たせたことにある。 これらの結果をもとに、平成23年度は、(1)従来の高校生用に編集された文法テキストの教授項目から、高専生に必須な文法事項のみを精選し、(2)各文法項目の教授オーダーを再考し、(3)高専生に特化した文法指導書で例文として用いる英文を収集した。 ここで収集した英文は、理系のテーマに基づいて集めたもので、具体的な事象を説明している点が特徴である。 活動にあたっては、東日本大震災の影響で年度当初に予定していた全体会を9月に延期せざるを得なかったが、「文法項目の精選」「教授オーダーの見直し」「例文のグループ分け」の業毎に分科会を開いて検討することで対応した。収集した英文のグルーピングに予想以上の手間がかかったが、文法細目のタグを付けて次年度に再度グループ化することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度当初には、研究代表者の勤務校である仙台高専名取キャンパスが東日本大震災で被災し、その復旧活動に多大な労力を割かざるを得なかったため、研究活動の再開までやや手間取った。しかしながら、担当セクション毎に打合せ会を開催するなどして対応し、年度末にはおおむね当初の予定まで到達している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、これまでの2年間で収集した英文データベースについて (1)それぞれの英文に文法細目のタグを付け、 (2)タグと各章で説明する文法項目をマッチングさせ、 (3)高専生がアブストラクトや論文をまとめる際にすぐに使うことができる具体的な例文で構成された文法解説書をまとめる。また、 (4)各文法項目毎に1文、暗記用として適切な英文を選び、暗記用例文集としてまとめる。
|