2012 Fiscal Year Annual Research Report
近代市民規範のポリティクス―「社会改良」の複合的メカニズムに関する史的考察―
Project/Area Number |
22320123
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
樋口 映美 専修大学, 文学部, 教授 (80238287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貴堂 嘉之 一橋大学, 社会(科)学研究科, 教授 (70262095)
日暮 美奈子 専修大学, 文学部, 准教授 (30384671)
岩井 淳 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (70201944)
小野 直子 富山大学, 人文学部, 准教授 (00303199)
加藤 千香子 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40202014)
兼子 歩 長野県短期大学, 文化コミュニケーション学科, 助教 (80464692)
黒川 みどり 静岡大学, 教育学部, 教授 (60283321)
高田 馨里 明治大学, 文学部, 助教 (40438172)
永島 剛 専修大学, 経済学部, 准教授 (00407628)
平体 由美 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (90275107)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 近代秩序 / 人種 / ジェンダー / 移民 / 優生学 / 遺伝学 / グローバル化 |
Research Abstract |
まず今年度(3年継続での最終年度)の研究課題として掲げた2点を概観する。第1点、科学的知の伝播のありように関しては、科学的知ばかりか、それを受容する伝播先の歴史的社会的土壌の多様性に注目する必要を確認した。例えば、優生学が伝播したことによって「社会改良」の名の下に近代社会形成にとっての「適者」と「不適者」が分けられ、後者を隔離あるいは下位に置く社会秩序がつくられた一方で、健康優良児を奨励するなど「適者」の育成によって「平等」を希求する動きも生じていたことが判明した。課題の第2点、科学的知の伝播における時系列的変遷については、その変遷が決して短絡的ではないことが判明した。まず、有機体的国家観が17世紀のイングランドで萌芽したこと、19世紀末から20世紀にかけては「国家」が遺伝学などの科学的知を「国民」に向けて社会政策として発信し、さらにイギリスはもとより国境を越えた伝播先において国家や市町村における公衆衛生・福祉政策として展開したばかりか、民間組織や軍隊などによる社会改良の実践へとグローバルに網羅的に浸透していった様を検証することができた。 公開シンポジウム(6月9日)とワークショップ(6月10日)は、複数のアメリカ人研究者を迎え、予定どおり同時通訳を入れて開催した。その報告書を、昨年度University of North Carolina at Chapel Hillにおいて同大学歴史学部との共催で実施したワークショップの記録と併せ、『近代市民規範の形成(Making Modern Citizens)』と題して発行した。 合宿形式の合同研究会(11月16日~18日)も予定どおり東北大学川内北キャンパスにて開催し、研究代表者・研究分担者・研究協力者(合計12名)が研究成果を報告した後、論文集『<近代>をつくる――都市・身体・国家』(仮題)の出版について具体的に話し合った。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(18 results)