2011 Fiscal Year Annual Research Report
日蘭関係史の再構築:オランダ語・現地語史料の併用による近世アジア海域史の視点から
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22320126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松方 冬子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80251479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八百 啓介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (20212269)
島田 竜登 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (80435106)
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Keywords | 日蘭関係史 / 近世史 / アジア史 / オランダ語 / 外国語史料 |
Research Abstract |
4月1日~5日ハワイで開催されたThe Association for Asian Studies(AAS)とInternational Convention for Asia Scholars(ICAS)合同の年次総会に、研究代表者と研究協力者が参加した。研究協力者がオーガナイザーを務めたパネルのほかに、研究協力者は他の3つのパネルにそれぞれ参加した。研究代表者がオーガナイザーを務めたパネルは"Nagasaki in the Eighteenth Century:Commercial and Institutional Change From Inside and Out"というタイトルで、研究代表者が長崎で行われたいわゆる「契約貿易」ついて報告を行なった他、戸森麻衣子が長崎地役人の変質について、彭浩が長崎貿易を独占した中国商人の集団(官商・額商)について、ロバート・ヘリアーが、海産物貿易について報告を行ない、真栄平房昭(以上、研究協力者)がコメントを行なった。会場では十分な数の参加者を得て、活発な討議が交わされた。 4月26日には研究分担者の八百啓介が、オランダのライデン大学で、同大学日本学科のウィレム・ボート教授らと協力して、「蘭学と日蘭交渉史ワークショップ」を開催した。八百が19世紀前半の通詞について、連携研究者の上野晶子が蕃書和解御用と蕃書調所について(DVD参加)、研究協力者の益満まをが京都の学者グループにおける洋学的知識の受容について、またオランダ留学中の大久保健晴・菅原光両氏が西周・津田真道について報告し、オランダ側参加者からコメントを得た。活発な討論を得て、有益な会となった。 12月17日には研究代表者、分担者、連携研究者が研究打合せ会を開催した。 日蘭関係史研究の大家である永積洋子氏の旧蔵書の一部を本科研で購入し、東京大学史料編纂所に架蔵した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者の健康上の理由により、当初計画していたオランダ、ハーグ市及びフランス、パリ市における史料調査が行えなかった。また、12月の研究打合せ会と併設の予定であった若手研究者との研究会・交流会の開催ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年5月と12月に予定されている研究会においてメンバーの意思を集約し、所期の研究成果を上げられるように努力したい。
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Research Products
(18 results)