2012 Fiscal Year Annual Research Report
日蘭関係史の再構築:オランダ語・現地語史料の併用による近世アジア海域史の視点から
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22320126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松方 冬子 東京大学, 史料編さん所, 准教授 (80251479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八百 啓介 北九州市立大学, 文学部, 教授 (20212269)
島田 竜登 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80435106)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 日蘭関係史 / 近世史 / アジア史 / オランダ語 / 外国語史料 |
Research Abstract |
2012年5月19日、20日の2日間の日程で、本研究の研究成果となるべき論文集の第1回出版準備会議を開催した。各自が自分の執筆部分の原案を持ち寄り、自由な討議を行なった。その結果、論文集の総合タイトルは『日蘭関係史をよみとく』(仮)とし、「つなぐ人々(仮)」「貿易(仮)」「蘭学(仮)」の3冊本とすることが合意され、目次案の概要も決定された。また、あまり専門的ではない一般向けの書籍とすること、積極的にオランダ側の史料を用い、できれば日本側その他の史料と組み合わせることが、編者から説明された。 その後、この出版準備会議を踏まえて編者と出版社との間で協議をし、執筆要綱を各執筆者に配布した。 また、本科研の直接的な活動ではないが、深く関係する企画として、研究代表者松方との共編者となる国際日本文化研究センター(日文研)のフレデリック・クレインス准教授主催の『日蘭関係史をよみとく―蘭学を中心に―』シンポジウム(第2回出版準備会議)が、2012年12月8日~9日に日文研で開催されたことを書き添える。 日蘭関係史に関する包括的な論文集が編まれるのは、2000年の「日蘭交流400周年」記念論文集以来のことであり、それ以降の研究の進展を考えると、今回の論文集の意義は大きいと考えらえれる。執筆陣も、中堅を中心に、積極的に若手や海外の研究者を組み入れ、日蘭関係史研究の世代交代も意図している。また、狭い意味の「日蘭関係史」に限ることなく、オランダ東インド会社(19世紀には植民地政庁)のアジアの拠点であるバタヴィアに着目した論考や、日本向けの綿製品を輸出したインドについての論考、長崎の唐人屋敷に関する論考なども取り入れ、本科研の目的である近世アジア海域史の視点から、日蘭関係史を再構築することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
論文集出版に向けて、出版準備会議を着実に開催した。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年4月に第3回出版準備会議『日蘭関係史をよみとく―つなぐ人々と貿易―』を開催し、出版に向けての最終調整を行う。英語で執筆された論文については、和訳して収録する。
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Research Products
(14 results)