2012 Fiscal Year Annual Research Report
旧真田山陸軍墓地内納骨堂の悉皆調査から見る「戦没者慰霊」の歴史的実相
Project/Area Number |
22320135
|
Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
小田 康徳 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (50169314)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 戦没者 / 陸軍 / 納骨堂 / 慰霊 / 陸軍墓地 / 日中戦争 / 太平洋戦争 / 兵士 |
Research Abstract |
旧真田山陸軍墓地(大阪市天王寺区)内に建つ納骨堂(仮忠霊堂)は1943年(昭和18)大阪府仏教会が浄財を集めて建立し、陸軍に寄贈した建物である。その中には1937年(昭和12)の日中戦争開始から1945年(昭和20)の敗戦まで第4師管内の戦没将兵の遺骨が納められているのであるが、今回の悉皆調査の結果様々な事実が判明した。まずここに合葬された人数は約8240人(確定できないのは、同一人物と思われる骨壺等が複数存在するものなど、断定不能のものが一部混在しているため)、全戦没者の内10パ-セント未満にとどまっていること、1944年以降戦局が絶望的になってくる中で増大した戦死者の内では、その多くが合葬されえなかったことなど、戦死状況と合葬状況との間に密接な関係が存在していることが判明した。 今回の調査は、そうした状況についての基礎的資料を構築することであり、そのことによる今後の研究基盤を確立することであった。最終的に、①旧真田山陸軍墓地納骨名簿(B5、268ページ)、②同納骨データベース(検索システムを含む)、③埋葬願(A4、84ページ)と合葬者名簿(A$、150ページ)の冊子とそれぞれのデータベース、④大阪靖国霊場維持会編綴の合葬者名簿のデータベースを作成した。また、建造物としての納骨堂の平面図等を書き上げた。この調査過程において昭和18年最初の慰霊祭式次第の刷り物を発見するなど貴重な発見のあったことも述べておきたい。 それともう一点追加しておくと、この調査を通し、戦没者遺族から多くの問い合わせがあり、いまもって戦争による痛手が続いていることを痛感したこと、この調査がそのような人々から期待されていたことを改めて感じたことである。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)