2011 Fiscal Year Annual Research Report
近世ヨーロッパ周縁世界における複合的国家編成の比較研究
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22320145
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古谷 大輔 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (30335400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立石 博高 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究科, 教授 (00137027)
大津留 厚 神戸大学, 大学院・人文学研究科, 教授 (10176943)
小山 哲 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80215425)
中澤 達哉 福井大学, 教育地域科学部, 准教授 (60350378)
後藤 はる美 国際基督教大学, アジア文化研究所, 研究員 (00540379)
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Keywords | 西洋史 / 近世史 / 国家形成 / 複合国家 / 礫岩(コングロマリット)国家 |
Research Abstract |
本研究の二年目にあたる平成23年度は、研究分担者・連携研究者による各々の対象地域の複合的国家編成に関する調査を継続するとともに、各研究者の研究活動の経過を報告検討する会合(2011年6,月25日於東京大学、2011年12月23日・24日於長浜)、デンマーク・コペンハーゲン大学サクソ研究所に所属するゴナ・リン教授を招聘して講演会ならびに国際ワークショップ(2012年3月2日於立教大学、2012年3月13日於京都大学)を実施した。本研究は、複合的国家編成の制度的側面と理念的側面への比較をいう問題関心を共有しているものの、これまで各々の地域の事例に対する検討の視角は研究者それぞれの知見に基づいて様々であった。これに対して、科研基盤研究(A)「ヨーロッパ境界地域の歴史的経験におけるパトリア/市民権」に参画する研究者も参画した12月の会合、ならびにリン教授を囲むワークショップでの議論を通じて、本研究は、当該地域に独特な法慣習に従った地域統合の過程や広域的に拡張する人的結合に従った地域統合の過程など、具体的に「地域と地域とを結びつける統合の方法と論理」に比較軸を定め、それぞれの国家編成の検討を最終的に整理するということで、本研究の最終年度にむけた研究活動の指針となる論点の一致を見た。また、本研究が取り組む複合的国家編成の制度的側面と理念的側面に着目した比較研究の将来的な可能性を問うべく、2012年3月1日には東京大学にて、近世を対象とした東洋史研究者・日本史研究者とも会合を開き、本研究の問題設定と研究手法を披瀝して意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の活動の主軸は、研究分担者・連携研究者による各々の対象地域の複合的国家編成に関する調査と各研究者の研究活動の経過を報告検討する会合の開催にあり、それらが定期的に開催されることで研究グループ全体として問題関心の共有が醸成されている。また現代ヨーロッパ歴史学界における国家形成研究の第一人者と連携して国際ワークショップを開催することで、現在の国際的な歴史学研究の水準において本研究の位置付けを確認しながら、複合的国家編成の研究が進められている。また当初研究実施計画には記載されていなかったものの、東洋史・日本史の研究者とも連携することで、本研究の推進する複合的国家編成に関する比較研究が西洋史・東洋史・日本史の枠組みを超え、歴史学研究において問題関心が共有されひろく比較検討可能な主題であるかどうかを計っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度にあたる平成24年度の活動については、その主軸を研究分担者・連携研究者によるこれまでの研究活動の整理に置く。そのために平成24年度には、それぞれの研究報告を主眼とする研究会合を回数を増やして開催する。またそれらの研究会合を通じて紡ぎ出された本研究の成果を日本西洋史学会において国内の歴史学研究者にも紹介することを念頭に置きつつ、本研究の成果を意義を確認するために、年度末にはヨーロッパの歴史学者とも連携して国際ワークショップを開催する。
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Research Products
(10 results)