2012 Fiscal Year Annual Research Report
行政の主体の多層化・多元化に対応する行政法理論の構築
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22330009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 隆司 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70210573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00186959)
北島 周作 成蹊大学, 法学研究科, 准教授 (00515083)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 行政法の国際化 / 地方自治 / 公私協働 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に出版された『行政法の新構想I行政法の基礎理論』中、研究代表者である山本隆司が執筆した「行政の主体」、研究分担者である斎藤誠が執筆した「グローバル化と行政法」、そして連携研究者である飯島淳子が執筆した「地方自治と行政法」が、本研究課題全体をカバーする中間成果の意味をもつため、これらの論文を評価し、最終年度に向けてさらに研究課題を探り、整理するための研究会を開催した。特に、斎藤論文のテーマは、多くの法分野の接点にあたるにもかかわらず、異なる法分野間の対話がなお不足しているため、行政法・国際法・抵触法のそれぞれの分野から、当該テーマに通暁した専門家を招いて、やや大規模な研究会を開催した。そしてその成果を、自治研究誌88巻12号・89巻1号に掲載した。その結果、国際・国・地方という多層化の軸と、公法私法協働論・公私協働という多元化の軸とを、複合的に考察することの必要性が明らかになった。また、こうした考察を、行政過程ないしマクロの行政手続をいかに分節化させるかという分析枠組により整理することが有益ではないか、という方向性が得られた。 個別には、研究代表者の山本が国際比較法学会で報告する機会を得て、上記のような行政法総論を構想するために、東アジア・ヨーロッパの研究者と対話することができた。研究分担者の斎藤は、ここのところ動きが激しい地方自治関係の立法・判例の動向を分析することにつとめた。研究分担者の北島は、行政手続法の立法史の研究を通じて、個別法における公法規範の意義と限界を分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究メンバーの論文を研究組織外部の専門家が評価する研究会を通じて、最終年度に向けて、なお検討すべき研究課題と研究のとりまとめの方向性が明らかになっているから。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に開始した研究会を継続し、引き続き研究組織外部の専門家の見解を徴しながら研究メンバー間の議論の機会を増やして、それぞれが研究成果を示す論文の執筆につとめる。
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