2013 Fiscal Year Annual Research Report
行政の主体の多層化・多元化に対応する行政法理論の構築
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22330009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 隆司 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70210573)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 誠 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00186959)
北島 周作 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00515083)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 公私協働 / 団体訴訟 |
Research Abstract |
本年度は、行政の主体としての私人の法的位置づけに関わる研究として、行政目的を実現するために不特定多数者の利益を表現し主張する民間の団体を考察した。こうした団体に関しては、学界では、環境団体訴訟の正統性をめぐり近時も議論されたところである。そして実務上は本年度において、「消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」が成立した。本研究では、同法上の特定適格消費者団体を具体的な素材にして、次のような考察を行った。まず、同法は、行政法規のみならず民事法にも不特定多数者の利益を保護する規範として捉え得る部分があることを示している。そして、公益・客観法を実現する際に考慮すべき諸利益が主張される機会の均等(一種の武器対等)を図るために、民間の団体には、さもなければ必ずしも十分に表出されない不特定多数者の利益を表現し主張する権利を、法的に認めることができる。ただし、こうした不特定多数者の利益の表現・主張は、一種の公私協働であるので、当該団体は、社会に対する開放性や、当該利益を主張するのに相応しい組織内部の統制機構を備えていなければならない。加えて、不特定多数者の利益は、個人が個別利益の延長として主張する可能性も考えられ、また、国や地方公共団体の機関が主張する役割を担う可能性も考えられる。そこで、法解釈論のみならず立法論にもわたるが、不特定多数者の利益の表現について、個人、民間の団体、そして国や地方公共団体の相互間の役割分担のあり方を検討する必要がある。本研究では、この問題につき、消費者利益に即して具体的な検討を行った。以上の研究は、最初に述べたように、アクチュアルな学術的・実践的意義を有する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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