2011 Fiscal Year Annual Research Report
EU消費者法のハーモナイゼーション--消費者法の現代的展開
Project/Area Number |
22330039
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鹿野 菜穂子 慶應義塾大学, 法務研究科, 教授 (10204588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 邦博 龍谷大学, 法務研究科, 教授 (00222414)
馬場 圭太 関西大学, 法学部, 教授 (20287931)
寺川 永 関西大学, 法学部, 准教授 (50360045)
若林 美奈 龍谷大学, 法学部, 准教授 (00309048)
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Keywords | 消費者法 / EU法 / 集団的消費者被害救済 / 消費者団体 / 消費者の権利 / 法典化 / 消費者契約 |
Research Abstract |
平成23年度は、EUの消費者法に関わる近年の動きの中でも、特に2005年不公正取引方法指令がその後に国内法に与えた影響、消費者権利指令案とその採択へ向けた動き、集団的消費者被害の救済に係る各国の動向などを中心に調査および検討を進めてきた。 全体の研究計画について議論し、また、各メンバーの検討結果についての報告と議論のために、平成23年4月、7月、10月、11月、12月及び平成24年2月の計6回にわたり、京都で研究会を開催した。また、これらの研究会のうち3回は、スイス・バーゼル大学のトブラー教授、フランス・パリ第一大学めストフェル=マンク教授、ドイツ・マックス・プランク外国私法および国際私法研究所のアナトール・ドゥッタ研究員を招き、それぞれ、リスボン条約とEU消費者法、消費者法の法典化の是非、ヨーロッパ私法のモデルとしての国際私法のヨーロッパ化のテーマについて公開講演会を開いた。これらの成果は、平成24年度に公表することを予定している。 平成23年度には、平成22年度に行った研究成果を書物等の形で公表した。詳細は後に掲げるが、その中心的なものとして、鹿野菜穂子・中田邦博編『ヨーロッパ消費者法・広告規制法の動向と日本法』(日本評論社、2011年)がある。 一方、平成23年度においても、研究メンバーが、それぞれドイツ、フランス、ベルギーなどに、EU消費者法の実態等の調査に赴いた。この調査結果については、現在、公表に向けた準備を進めている。 さらに、平成23年度においても、前年度から引き続き、『EU消費者法』の翻訳作業を進めてきた。これについては、平成24年度中に出版する方向で作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記したとおり、平成23年度には、過年度の研究の一部をまとめる作業を終えた。また、今後の成果発表に向けた検討や議論も進めている。もっとも、平成23年10月に、消費者権利指令が正式に採択されたこと、ヨーロッパ共通売買規則提案が公表されたことなど、新たな展開も見られたことから、これらについてはさらに今後検討することを要する。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、上記(11)で記載したとおり、消費者権利指令が採択され、しかも草案段階とは内容を修正した形で採択されたことから、その内容と同指令の各国への影響について調査検討を行う。同じく、新たな動向として、ヨーロッパ共通売買規則指令提案をめぐる動向を注視し、同提案と消費者法との関わりについて分析することを予定している。また、EU各国の消費者法のあり方を比較することにより、消費者法の法典化の問題についても、検討を加えたい。『EU消費者法』の翻訳についても、平成24年度中に完了する予定である。このほか、日本の消費者契約法の見直しという角度から、関係するEU消費者関連立法全般をあらためて比較検討することを予定している。
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Research Products
(34 results)