2011 Fiscal Year Annual Research Report
「1968年」と現代デモクラシーの形成に関する比較政治学的研究
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22330045
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野田 昌吾 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50275236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安野 正明 広島大学, 総合科学部, 教授 (80202365)
畑山 敏夫 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10180887)
神谷 章生 札幌学院大学, 法学部, 教授 (60269719)
小沢 弘明 千葉大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (20211823)
堀江 孝司 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (70347392)
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Keywords | 政治学 / 比較政治 / 政治文化 / 政治社会 |
Research Abstract |
1)昨年度末に公刊した野田昌吾「1968年研究序説」をベースに研究課題の練り直しを実施した。その過程で研究期間中に取り組むべき重要論点として浮上してきたのは以下のような問題である。 (1)日本ではなぜ緑の党が生まれなかったのか?ドイツは例外なのか?なぜ68年の価値や問題意識が日本では定着しなかったのか?(2)そもそも日本とドイツの68年の価値や問題意識は同じなのか?68年の価値や問題意識とは何か?(3)、68年はポストモダンなのか、未完のプロジェクトの運動なのか?(4)68年は結果か、原因か?結果だとすれば68年とは何を残したのか?(5)「68年から新社会運動への道」は必ずしも連続していないというべきか。68年のインパクトか、新社会運動のインパクトか?(6)68年は各国の政治に何を残したのか? 2)上記の問題を念頭に置き、(1)ドイツ社会民主党と1968年運動の関係、(2)ダニエル・コーン=バンデットと68年5月、(3)日本政治と1968年、(4)プラハの春と冷戦史、(5)アメリカにおける宗教右派の興隆と現在、(6)現代フランスの政治と反原発運動、(7)国際的な対抗文化の興亡、などの個別テーマを取り上げ、検討を深めた。 3)また、日独双方の事情に詳しい住沢博紀氏(日本女子大)を囲んでのワークショップを開催し、討議を行った。また、そのなかで、上記1)の論点の重要性にかんしてあらためて確認ができたことは重要であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に掲げた研究視角の妥当性は、この間の共同研究の結果、十分に明らかになった。各国の政治社会のあり様のトータルな把握は、領域の広大さから必ずしも十分とは言えないが、その輪郭を提示することは十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
11でも書いたが、研究視角の妥当性は明らかとなったので、それにもとづき研究の取りまとめを行いたい。各国の個別の制度などにまで踏み込んだ取りまとめは難しいかもしれないが、比較の枠組みと、それにもとづく各国の現代デモクラシーの性格の提示は十分可能である。
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Research Products
(11 results)