2012 Fiscal Year Annual Research Report
「1968年」と現代デモクラシーの形成に関する比較政治学的研究
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22330045
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
野田 昌吾 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50275236)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑山 敏夫 佐賀大学, 経済学部, 教授 (10180887)
小澤 弘明 千葉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (20211823)
神谷 章生 札幌学院大学, 法学部, 教授 (60269719)
堀江 孝司 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (70347392)
安野 正明 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (80202365)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 「1968年」 / デモクラシー / 戦後政治 / 政治文化 / 冷戦 |
Research Abstract |
最終年度である今年度は研究の取りまとめに向けた作業とその成果の公刊に向けた作業を中心に研究活動を展開した。 我々の共同研究の基本的視角は、先進国の政治変容の結節点に位置する「1968年」を切り口にすることで、それぞれの国の政治社会の歴史的前提とともに、その変容、さらには変容の基本的構造をも把握することができるというものである。それぞれの国の近代社会のあり方を告発した「1968年」は、そのことにより、それぞれの社会に大きな緊張をもたらすとともに、場合によっては社会の中から激しい反作用をも誘発し、それぞれの社会の現代(ポスト近代)のあり方を強く規定した。そのような意味を持った「1968年」を起点にすることで、それぞれの社会の近代の基本的性格とともに、その現代的転形のあり方の双方が明瞭に浮かび上がることになる。こうした視座のもと、日本、ドイツ、フランス、アメリカ、中東欧諸国、北欧諸国の比較研究を行い、それぞれのあいだの共通点とともに相違点、その相違の背景や意味を検討し、こうした視座の基本的有効性が確認された。それとともに、その国際的秩序に及ぼした意義についても検討を行った。 今年度の研究によってあらためて確認されたことは、戦後の国際政治はもちろんのこと先進各国の国内政治をも規定した冷戦というものが持った独特の重みである。単なる軍事的なパワーポリティクスに限定されない冷戦のイデオロギー政治的側面自体が、逆説的にもそれぞれの国の戦後政治に対する疑念を醸成し、それが「1968年」を一つの触媒として、戦後的秩序の再編を余儀なくさせたという点は、世界史において冷戦が持った複雑でニュアンスをもった意味を再検討する必要性を示しているといえるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(15 results)