2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330046
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土屋 礼子 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00275504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 武利 早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (30098412)
加藤 哲郎 早稲田大学, 政治経済学術院, 客員教授 (30115547)
梅森 直之 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80213502)
井川 充雄 立教大学, 社会学部, 教授 (00283333)
小林 聡明 東京大学, 総合文化研究科, 学術研究員 (00514499)
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Keywords | メディア / インテリジェンス / プロパガンダ / 心理戦 / 世論調査 / 宣伝 / 広報 |
Research Abstract |
第二年目にあたる今年も計画に従い、(1)心理戦の継承と展開、(2)世論及び国民性などに関する分析調査、(3)対アジア情報政策における活動という三つの主題にそって、4月から11月までほぼ毎月、早稲田大学20世紀メディア研究所が開催する20世紀メディア研究会と合同の形で、研究会を開催し、メンバーが発表を行った。8~9月には、各自が米国国立公文書館、米国議会図書館など、米国および英国、中国など各国の資料館や大学図書館に出張し資料調査を行い、各自で研究発表と論文執筆を進めた。また、国際シンポジウムを年末に計画していたが、これは2012年3月にニューヨーク大学(New York University)でWorkshop"Atomic Ordering on the Borders of Japan"として実現し、日本及びアジア研究者とともに、これまでの占領期研究とは異なる視点を提出すべく議論を深めた。 一方、民間情報教育局の活動を明らかにする基礎作業として、Weekly Reportの目次の採録と、そのうちのメディア関係の内容の摘出を行ってきたが、3割程の入力を終えたところで、作業量が膨大に上ることと、項目の多様性、不規則性などが予想以上で、作業を見直す必要があると判断された。また、効率的な作業のためには、マイクロの画面を鮮明に読むことが容易になるデジタル・マイクロ・リーダーを使う必要があると判断され、高額を理由に一年目に購入を見送っていたが、今年度購入に踏み切った。 以上の活動を通じて、(a)太平洋戦争中の対日心理戦と占領期及び朝鮮戦争における米軍の心理戦組織および政策内容の同一性と異質性、(b)占領期の世論調査に対する民間情報局の政策、(C)ラジオ放送をめぐる米国の東アジアにおける情報・広報政策などを実証的に跡づける作業を継続して進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各自の研究はそれぞれに進展しており、国際シンポジウムも開催して、その面では順調であるが、民間情報教育局のWeekly Reportの目次の採録、およびメディア関係の内容と摘出という作業が、その作業量の多さと項目の多様性とばらつきのため、見直しを迫られた。それゆえにプロジェクト全体としての基礎作業の進行に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
三つの主題に沿った研究活動は継続的に行い、さらに資料調査の分析と報告発表をすすめる。ただし、民間情報局のWeekly Reportの目次の採録については、作業量を軽減するため、採録項目を絞り、より効率のよい方法を再設定し、メディア関係者が情報を共有しやすい形での抽出を行うようにして、1945年12月から1952年4月までの六年五ヶ月分のデータの入力作業を完成させるようにする。また、最終年度なので、研究成果を報告書にまとめるとともに、Weekly Reportの目次の採録結果と内容についても、公表できるように準備する。
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