2011 Fiscal Year Annual Research Report
貿易自由化と技術的貿易措置の多面的分析-消費者安全と経済発展のための制度デザイン
Project/Area Number |
22330077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大槻 恒裕 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (40397633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利 博友 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 教授 (40283460)
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Keywords | 国際貿易 / 経済発展 / 技術貿易障壁 / 企業行動 / 消費者保護政策 |
Research Abstract |
平成23年度においては研究の目的及び実施計画に沿って、ミクロレベルで輸出国企業のコンプライアンスの決定要因や結果として得られるメリット、輸入国消費者のコンプライアンスに対する追加的価値付けを、とりわけ国際規格ISO9000、ISO14000(工業製品)に着目し推定し、ワーキングペーパー及び査読付国際学術雑誌に投稿・掲載した。本論文においては、ISO規格への準拠は途上国企業の輸出力を有意に高めることが確かめられた、また、全要素生産性への正の効果についても確認することができた。 さらに、技術的貿易措置が貿易国経済の財市場に与える影響をグラビティモデルで推定し欧州委員会のFP7プロジェクトのワーキングペーパ}として出版するとともに、査読付国際学術雑誌へ投稿し採択された。本研究においては、分析を行うに当たって、最新の手法を取り入れるべく、精緻かつ高度な分析手法を採用しまた分析ソフトでのプログラミングを行った。 また消費者の視点から、安全基準や品質基準がどのように評価され需要に反映されるかを分析し、多面的、総合的な技術的貿易措置の経済に対する影響を評価した。本研究では、欧州委員会のFP7プロジェクトのワーキングペーパ7、及び学内ワーキングペーパーとして出版した。さらに、査読付国際学術雑誌への投稿すべく準備中である。本研究においても、新しい分析アプローチを用い、最新の知識をもとに、精緻かつ高度な分析手法を採用しまた分析ソフトでのプログラミングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消費者アンケートについては22年度に生じた遅れを23年度に取り返すことができ、24年度に入り分析が順調に進んでいる。その他の研究についても、計画通りに進んでおり研究成果もワーキングペーパーや論文として刊行・投稿ができており、研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
22年度に行った輸入鶏肉の需要分析の推定結果やアンケート調査に基づく分析に基づき、様々な食品安全規制(鳥インフル発生国に対する禁輸措置や残留抗生剤等の化学物質の許容値に対する基準の適用など)の貿易効果のシミュレーション分析を行った、研究をまとめる。
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