2011 Fiscal Year Annual Research Report
親子の経済関係と社会規範・制度が親子の行動に与える影響に関する国際比較研究
Project/Area Number |
22330083
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
HORIOKA C.Y. 大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (90173632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
暮石 渉 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障基礎理論研究部, 研究員 (00509341)
若林 緑 大阪府立大学, 経済学部, 准教授 (60364022)
管 万里 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (80437433)
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Keywords | 親子関係 / 社会規範 / 社会保障 / 遺産動機 / 世代間移転 / 家計行動 / 消費・貯蓄行動 / ライフ・サイクル・モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、国際比較の観点から親子の経済関係および社会規範や社会保障制度が親子関係に与える影響について分析することである。具体的には、(1)遺産動機、(2)社会規範、(3)社会保障制度(特に公的介護保険制度)が親子の同居行動、親と子の消費・貯蓄行動、労働供給・余暇行動、子の援助・介護行動に与える影響に関する理論的・実証的分析を日本、アメリカ、中国、インドなどからのマイクロ・データを用いて行う予定である。本研究は(1)理論モデルを再構築し、その妥当性について検証する、(2)親子の経済関係を網羅的に捉える、(3)社会規範と社会保障制度(特に公的介護保険制度)の親子関係に与える影響について考慮する、(4)日本、アメリカ、中国、インドなどを含む国際比較分析を行い、そうすることによって社会規範・制度などの影響について明らかにする、という特色と独創性をもつ。現時点での研究実績を要約すると、日本人と中国人は比較的利己的であり、子から何6かに見返り(例えば、老後の世話、介護、経済的援助など)をもらった場合にのみ遺産を残し、世話、介護、経済的援助などをしてくれた子により多く遺産を残す傾向がある。一方、アメリカ人とインド人は比較的利他的であり、子からいかなる見返りがなくても遺産を残し、遺産を子の間で均等に分配する傾向があるようである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
それぞれの研究代表者・研究分担者は計画以上にそれぞれの担当テーマに関する研究を進めており、研究の進捗状況は極めて順調である。具体的には、ホリオカは遺産動機と親子関係に関する研究、暮石は貯緒目標額と実際貯蓄額に関する研究、若林は老後貯蓄と相続に関する研究、菅は社会保障制度の影響に関する研究をそれぞれ進めており、順調に研究成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
ホリオカは遺産動機と親子関係に関する研究、暮石は貯緒目標額と実際貯蓄額に関する研究、若林は老後貯蓄と相続に関する研究、菅は社会保障制度の影響に関する研究を引き続き進め、理論モデルの構築、データ・セットの構築、データの分析・解釈、政策提言をさらに進め、研究成果を研究論文としてまとめると同時に学会発表などを積極的に行う予定である。研究計画を変更する必要はなく、研究を遂行する上での問題点は特になく、研究を計画通り進める予定である。
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