2012 Fiscal Year Annual Research Report
産業調整とFTAの最適シークエンシング:アジアにおける地域統合の動学的CGE分析
Project/Area Number |
22330084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
利 博友 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40283460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 恒裕 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40397633)
板倉 健 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90405217)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | FTA / 産業調整 / シークエンシング / アジア / CGE分析 |
Research Abstract |
平成24年度(最終年度)は、初年度に構築し、2年度に拡張した22地域・29部門の動学的CGEモデルを最新のデータにキャリブレートし、新たなシナリオを追加した。具体的には、1.日本を加えた12ヵ国による環太平洋経済連携協定(TPP)から韓国・タイ・インドネシア・フィリピンを含めた拡大TPP、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)へと深化するシナリオ、2.ASEAN+3 FTAから東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、FTAAPへと拡大するシナリオ、3.日EU経済連携協定及び環大西洋貿易投資パートナー協定(TTIP)から ASEANとEU及びEUとインドのFTAへと進展するシナリオ、4.シナリオ1と2が同時進行する Two-Trackシナリオ 及び 5.シナリオ1~3が同時進行する Three-Trackシナリオを比較した。 域内貿易比率が相対的に高い環太平洋地域、または東アジア地域を中心としたFTAシークエンシング(シナリオ1・2)は、EUを中心としたFTAシークエンシング(シナリオ3)と比較して、メンバー国の経済厚生が大きく上昇することが示された。シナリオ4ではシナリオ1とシナリオ2よりも相対的に経済厚生の上昇率が増加するが、シナリオ5とシナリオ4の間では大きな相違は示されなかった。また、通関手続の簡素化・迅速化による通関時間の短縮により、メンバー国の経済厚生がさらに向上することが明らかにされた。 産業調整度については、シナリオ1~3の中で顕著な違いは見られなかったが、シナリオ4~5のように同時にいくつかのFTAを進行させることによって、構造調整コストを比較的小さく抑えることができることが示された。 これらの研究成果は、グローバル経済分析に関する国際学会、東アジア経済学会、環太平洋経済学会等で発表され、Global Journal of Economics等に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)