2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの国際的生産・流通ネットワークにおける多国籍企業の役割
Project/Area Number |
22330087
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (90265918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 寿幸 慶應義塾大学, 産業研究所, 講師 (20456304)
大久保 敏弘 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80510255)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 生産・流通ネットワーク / 企業ミクロデータ研究 / 多国籍企業 / 企業の異質性 |
Research Abstract |
本研究プロジェクトでは、生産・流通ネットワークにおける多国籍企業の役割を明らかにするため、「東アジアにおける貿易・直接投資の研究:日韓台比較」と「多国籍企業によるスピルオーバー効果の研究」の二つのトピックを中心に分析を行ってきた。本研究により明らかとなった点は以下のとおりである。 第一のトピックでは、「日韓台の直接投資データ・ベース」を構築し、日韓台による直接投資を比較する研究を行った。例えば、より賃金の高い日本の企業は、韓台系よりも積極的に海外進出をする傾向がみられること、また進出先において、韓台系に比べ、日系企業は同国籍系企業同士で集積して立地する傾向があることが示された。また進出先にて、その他現地日系企業から調達を行っている日系企業ほど経営パフォーマンスが良いことも示された。これらの結果から、自国での生産コストの高まりから海外進出に積極的な日本企業は、進出先で日系企業による集積を形成し、現地日系企業から高品質な部材を調達し、競争力を高めてきたと言える。 第二のトピックでは、詳細なサーベイを利用することにより、外資系企業と地場企業の間の現地技術者間のFace-to-faceコミュニケーションが技術のスピルオーバーを促進することが明らかとなった。また、生産性の高い企業は、現地企業の中でも日系の現地法人と取引を行っていることも明らかとなった。一般に、多国籍企業は、調達コストを低下させるために、現地企業からの調達を増やすと考えられてきた。しかし、この事実は、現地地場企業にとって、そもそも多国籍企業との取引を開始することに困難があることを示唆している。しかし、一度取引を開始し、多国籍企業から技術者が派遣され、企業間コミュニケーションが活発化してくると、地場企業は大きなスピルオーバー効果を享受できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)