2013 Fiscal Year Annual Research Report
実験経済学と人工市場・模擬実験市場を用いたGARCH効果の発生メカニズムの解明
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22330097
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
須齋 正幸 長崎大学, 経済学部, 教授 (40206454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
晝間 文彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (00063793)
鳥海 不二夫 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30377775)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | GARCH / 行動ファイナンス / 外国為替市場 / 市場の効率性 |
Research Abstract |
本研究は、投資家としての外国為替ディーラーの行動特性と、金融資産の価格流列の変動特性として指摘されるGARCH効果の関係を、市場の情報構造に注目して、人工市場と実際のデータ解析により明らかにすることを目的とするものであった。 データの解析にあたっては、EBS社の協力を得て、市場に入力されるすべての為替データの提供を受け、市場への情報が個別投資家の投資行動にどのように影響を与えるかを、取引間隔の解析ならびに板情報におけるエントリーとエグジットの間隔の解析を通じて分析した。そこでは、事前に予想されたように、市場の厚みが厚いほど間隔は広くなり、また取引量、市場のボラティリティが高くなるにつれ、それぞれの間隔は狭まることがわかった。またこの関係は、円ドル市場だけでなく、ドルユーロ、円ユーロ市場でも確認され、取引される通貨による特徴ではなく、外国為替市場一般にみられる特徴であることが示されたものと考えている。 一方、人工市場においては、このような情報に対するディーラーの行動特性を内包したエージェントモデルを作成し、人工市場で発生される価格流列の変動特性とGARCH効果の関係を解析した。そこでは、一定数のエージェントが価格に関する情報を事前に有するケースでは、GARCH効果が顕在化する可能性が示唆されている。これは、研究の当初に、ボサールが指摘していた、実験による予想と整合的な結果である。 以上から、外国為替市場においては、取引される通貨に関わらず情報に対してはディーラーは一定の反応をする可能性が高く、またその市場の情報構造によっては、その構造自体がGARCH効果の源泉となりうることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)