2010 Fiscal Year Annual Research Report
近代アジアにおける植民地都市と商業・金融・情報ネットワーク
Project/Area Number |
22330105
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
脇村 孝平 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30230931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
籠谷 直人 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70185734)
川村 朋貴 富山大学, 人文学部, 准教授 (80377233)
西村 雄志 松山大学, 経済学部, 准教授 (10412420)
|
Keywords | 植民地都市 / イギリス帝国 / イギリス系商社 / アジア系商人 / 英国議会資料 |
Research Abstract |
本年度は、この共同研究に関連して、3回の研究会(7月25日、9月23日、1月10日)を開催した。本年度(1)19世紀アジアの植民地都市に関する先行研究の検討、(2)植民地都市の概念規定、(3)19世紀アジアの植民地都市の相互関係という三つの課題を掲げて研究活動を行った。(1)としては、カルカッタ(脇村孝平:大阪市立大学)、横浜(市川智生:上海交通大学)、バタヴィア(島田竜登:西南学院大学)、ボンベイ(木谷名都子:名古屋市立大学)、ペナン(川村:富山大学)についての報告がなされた。また、(2)に関しては、山田協太氏(京都大学ASAFAS)を招いて「近代都市再考-植民都市から世界の見通しを考える」と題する報告がなされた。さらに、(3)に関しては、原孝一郎氏(東京大学・特任研究員)を招いて「専売アヘン生産とカルカッタの役割について」と題する報告がなされた。 このような研究報告を通じて明らかになったのは、19世紀アジアの植民地都市を連鎖として把握する視点の有効性である。すなわち、19世紀の前半以降、英領インドを基点として東進するイギリス帝国の伸張に伴って、南アジアから東南アジア、さらに東アジアへと地域的拠点として植民地都市が創出されていくが、これらの波及・連関は、イギリス系商人・商社のみならず、インド系商人もしくは中国系商人のネットワーク的展開と関連させて理解することが必要であるという点が明らかになった。
|