2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日置 弘一郎 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (70114022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 裕子 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80350685)
波積 真理 熊本学園大学, 商学部, 教授 (80271443)
関 千里 明海大学, ホスピタリティツーリズム部, 講師 (70434256)
王 英燕 広島市立大学, 国際学部, 講師 (10456759)
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Keywords | クラスター / デザインイノベーター / 産地問屋 / 技能養成 / プロデューサー / 流通とのコラボレーション |
Research Abstract |
景徳鎮に出張し、景徳鎮陶瓷學院の教官、景徳鎮陶瓷博物館副館長、磁器作家等から、景徳鎮のクラスターとしての現況の聞き取りをおこなった。また、景徳鎮の陶磁器生産の流通を見るために、陶磁器の販売センター、観光陶磁器センター等を視察した。これに対比するために、日本国内で有田の状況を視察した。有田と景徳鎮は基本的に製品群としては同様のジャンルでの生産であるが、両者はかなりクラスターとしては異質であることを確認した。有田の生産は産地問屋がかなり製品のスクリーニングをおこなっているが、景徳鎮では過去のデザインをコピーしており、新しい革新的な試みはむしろ、陶瓷學院の学生の作品をフリーマーケットの様式で扱っている中で相互に刺激されてデザインが生み出されているという印象を受けた。 さらに、韓国の利川に出張し、陶磁器の集積を見た。ここでのデザインは地方政府が運営する陶磁器センターでのフェアが大きな役割を果たしている。流通が関与する割合はさらに小さく、作家としての評価が大きな意味を持っている。それぞれのクラスター内部における相互作用は、有田での商業的生産が強く、器胎(生地)の段階での売買が存在し、作家のように自分で器胎制作と絵付けの双方をこなすという形態はとられない。この分業が徹底しているのは景徳鎮で、一人の作家が職人を抱えて分業させて生産するという形態をとる。
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