2011 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーション促進のためのIT利用概念とその効果の実証的国際研究
Project/Area Number |
22330118
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
太田 雅晴 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (00168949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下崎 千代子 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (00168949)
川村 尚也 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 准教授 (80268515)
石井 真一 大阪市立大学, 大学院・経営学研究科, 教授 (70315969)
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Keywords | イノベーション / IT / 情報共有 |
Research Abstract |
我が国企業の経営環境の固有性を考えてイノベーションを誘導するには、オペレーションのレベルに近いイノベーション誘発のフレームワークおよび方法論の研究を行うことが肝要である。本研究の目的は、Innovation CapabilityやInnovation Processに関わる既出の研究成果を踏まえた実証的国際共同調査を軸にしながら、イノベーションとそれを促進するIT利用概念の整理、課題抽出を行うとともに、オペレーションズマネジメントの体系を、イノベーションおよびITを軸としたものに再構築しようというものである。本年度の主たる研究成果として次を得た。 1)昨年度までの一連の研究成果を、「イノベーションマネジメント-システマティックな価値創造プロセスの構築に向けて-」と題する書籍にまとめ上げ、出版するとともに、その過程でさらに今後、検討していくべき課題について整理した。2)包括的イノベーションプロセス、特に今年度は普及プロセスに焦点を当て、ある商品の普及に関わる膨大なウェブサイト上の書き込みデータをテキストマイニングの手法を用いて分析し、そのプロセスにおけるITが果たしている役割から、包括的イノベーションプロセスにおけるITの利用概念の構築を試みた。3)国際共同研究の遅れ、不況、震災、洪水等を考慮して遅らしていたイノベーションマネジメントに関わる企業アンケート調査を実施した。その調査票作成過程で、先のInnovation CapabilityやInnovation Processの実行性、具現性について再検討するとともに、Innovation CapabilityとIT Capabilityの関係性などについて整理した。また、調査票の作成に当たっては海外研究協力者との共同研究を行い、グローバル対応の質項目、我々固有の分野の質問項目を作成した。現在、海外でのデータ収集が進められている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に行う予定であったアンケート調査を、国際共同研究の遅れ、我が国の不況、震災、タイの洪水を考慮して遅らさざるを得なかったが、書籍出版を前倒しにすることで、研究成果を途中ではあるが第三者の目も含めてまとめることができ、それは今年度行った調査票の作成、さらには包括的イノベーションプロセスの分析方法の研究の試行などへの成果にも結びついた。従って、現時点で、研究目的の達成については概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、既出の研究成果を念頭に置きながら、調査データの分析を推し進め、IT利用概念を明らかにすることである。また、オペレーションズマネジメントの体系をイノベーションおよびITを軸としたものに再構築することである。課題としては、国際共同研究の遅れから、海外でのデータ収集が始まったばかりであり、実証的な比較がどこまでできるかが、課題として残る。
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Research Products
(12 results)