2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330124
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻本 将晴 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (60376499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 修三 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (90377044)
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Keywords | 基礎科学知識創造 / 研究所 / マネジメント / ネットワーク分析 / 書誌分析 |
Research Abstract |
平成22年度は全体の研究目的を達成するために,研究対象であるAT&Tベル研究所,IBM基礎研究所,トヨタ中央研究所を中心に,インタビュー調査と書誌分析を行なった. 平成23年度は国内調査,書誌分析を中心とし,海外調査を補完的に実施するという研究活動を行った.具体的にはIBM基礎研究所の日本国内関係者へのインタビュー調査および書誌分析をおこなった.また、追加的にフランスの代表的な研究機関であるLetiなどを訪問し、そのマネジメントに関する調査を行った.その結果,「共鳴メカニズム」に関する我々の仮説である3要素が妥当性の高いものであるとの認識を強めた. 書誌分析は次の4段階で行った.第一段階は研究チームの組成について公表されている特許,論文データを特許データベースであるpBaseおよびWeb of Scienceによって抽出しマスターレコードを作製した.第二段階はマスターレコードから共同発明者,共著者のネットワーク分析の元データとなるネットワークリンクデータを作成した.リンクは共同発明,共著がある場合1とし,複数のリンクがある場合は重みづけを行った.第三段階としてネットワーク分析ソフトウェアUCINETを用いて2-mode network analysisを行った.第四段階として結果の解釈を行った.その結果,研究所内の人的ネットワークの構造が可視化され,チームの多様性(基礎・応用,専門分野)の程度が明示的に示された.この多様性の程度が高いこと,分野を大きくまたいでいるチームであることがその創造性やインパクトの大きさにつながっている可能性が示唆された. 今後はさらに「共鳴メカニズム」に焦点を絞り,異なる段階(基礎・応用)および異なる分野、異なる組織に属する研究者間のコミュニケーションが相互に刺激となり新しく,インパクトの大きな成果につながっていくメカニズムをインタビューおよび書誌分析から明らかにしていく.これにより企業研究組織のマネジメントの変容と多様性について新たな視点と示唆を提供するという目的の達成を目指していく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は計画に沿って書誌分析を中心とした研究活動を行い,海外調査も補完的に実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は書誌分析に加えて,国内・海外のフィールド調査にも注力して計画にそった研究成果を得ることを目指す.さらにある程度研究成果がまとまった段階で国内外の学会に発表していく.
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Research Products
(1 results)