2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22330124
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻本 将晴 東京工業大学, 大学院イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (60376499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 修三 東京工業大学, 大学院イノベーションマネジメント研究科, 教授 (90377044)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 共鳴メカニズム / boundary mediator / 研究者ネットワーク |
Research Abstract |
本研究は、企業組織の科学知識創造における研究者間の「共鳴メカニズム」に焦点をあてた比較分析を行なった。ここでの「共鳴メカニズム」とは、組織に所属する研究者と組織内外の研究者との相互作用のあり方を意味しており、次の3つの要素から構成される。 第一に研究チーム組成、第二に異なる段階(基礎・応用)および異なる分野と組織の研究者間のコミュニケーション、第三に研究評価と成果公開のマネジメントである。 我々は研究者間の相互作用によって科学知識創造が活性化されていると考えており、本研究はそのメカニズムの実証研究である。具体的には、AT&Tベル研究所、IBM基礎研究所、トヨタ中央研究所、大手食品会社A社の企業研究組織を対象とした比較分析を行なった。さらに,トヨタ自動車とパナソニックにおける共同研究開発組織のネットワークを分析した. その結果,次のことが明らかになった.第一にboundary mediatorの存在の発見である.異なる二つのcoding scheme (Allen,1971)を媒介して相互の知識の交換を促進する個人が科学知識創造の活性化に大きく寄与している可能性を複数の組織の実証研究から見出した.第二にboundary mediatorが常に複数の専門に通じる個人というわけではなく,数学,統計,計測技術といった複数の技術分野に共通に必要となる専門性を持つ個人が大規模な研究組織内の媒介となっている可能性を見出した.第三に研究組織の規模に依存して内部的には閉鎖的なネットワークを構築しているチームが外部とのオープンなネットワークをつうじて高い研究成果を上げている可能性も実証研究から見出した. これらの実証研究により,企業研究組織のマネジメントの変容と多様性について新たな視点と示唆を提供するという本研究の目的がある程度達成された.
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)