2011 Fiscal Year Annual Research Report
家電品流通の日中韓比較研究-優越的地位変動の視点から
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22330132
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
関根 孝 専修大学, 商学部, 教授 (70076933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 時英 専修大学, 商学部, 兼任講師 (00573627)
金 雲鎬 日本大学, 商学部, 准教授 (10410383)
呉 暁林 法政大学, 理工学部, 教授 (50366829)
石川 和男 専修大学, 商学部, 教授 (60300034)
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Keywords | 家電品チャネル / 日中韓比較 / 商品流通の主導権 / サービス戦略 |
Research Abstract |
韓国での実態調査を踏まえて、現在でも依然として生産者主導型の垂直的マーケティング・システムの家電品流通が圧倒的に優勢な様相を明らかにした。生産段階が複占構造にあり、二代メーカーの圧倒的なパワー資源が、家電量販店などの家電ディスカウンターの成長を抑制してきた。韓国メーカーは、当初より自らのマーケティングチャネル網構築に力を注いでおり、家電量販店成長の萌芽がみられるや大型直営店を導入して全国チェーン展開し、環境変化に的確に対応することによって流通主導権の掌握に努めてきた。そうした結果、ブランドイメージの高揚やアフターサービスの重視など効果的なマーケティング戦略と相俟って、現在の状況をつくりだしているといえる。圧倒的な生産者主導型の垂直的マーケティング・システムは、小売市場における価格の安定をもたらし、営業利益の確保、研究開発費の捻出などメーカーにとっては種々のメリットがあるが、消費者には相対的に高価格での購入を強いられている。 さらに中国青島市での二度にわたる実態調査では、いくつか興味深い発見があった。例えば、蘇寧電器や国美電器などの家電量販店は意外に価格優位性があまりないこと、大都市では大手メーカーによるサービス機能を備えた新たなチャネル系列化が始まっていること、派遣店員が価格の安定に貢献していることなどである。これらにさらに実態調査、分析を加えて研究成果として近々発表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、中国や韓国で実態調査を実施し、メンバーにより多少ばらつきはあるが、研究成果として論文の刊行や学会発表がおおむね順調に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
過去2年の調査研究で、まだ不十分な課題を今後推進したい。具体的には、中国の家電品流通の中間段階(販売会社と省級代理商)の様相、日韓家電品メーカー間における組織内部門間のコミュニケーションの比較分析、韓国サムソンのマーケティングチャネル戦略の詳細、および日中韓3国における中小規模家電のマーケティング実態解明などである。
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Research Products
(8 results)