2012 Fiscal Year Annual Research Report
公的部門への発生主義会計適用による効果に関する総合的研究
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22330136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 清 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60240090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 麻理 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50248978)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 会計 / 発生主義 / 現金主義 / 会計 / 国 / 自治体 |
Research Abstract |
平成24年度は22年度に実施した財政関係部門の管理職に対するアンケート調査を再度実施した。これは地方財政健全化法の適用や財務書類の活用方策について総務省から事例などが自治体側に提示されたことを踏まえ、こうした政策の影響があったか、また、発生主義の財務書類を作成することの経験効果が発現しているか否かを確認するためである。その結果は、(1)予算管理、行政評価、業務改善への活用度は依然として低いこと、(2)財政健全化法制の財政改善効果は大きいこと、(3)発生主義会計の適用と財政改善には有意な関係が見出せないこと、であった。また、欧州の動向を調査するため、ドイツで開催された公経営に関する国際セミナー(12th International Symposium on Public Sector Management)に参加し、研究の中間成果を報告し、研究者と今後の研究方向と各国の実態についてヒアリングを行った。また、ドイツで最も早く発生主義会計を導入し、業績評価や予算との連動を図っているハンブルグ市の財政局を訪問し、その実態と課題について調査し意見を交換した。 さらに、我が国では発生主義の財務書類の作成は説明責任(アカウンタビリテイ)の向上を目的になされているこため、説明責任の概念とどのような内容が透明性や説明責任の改善に寄与するかにつき国内自治体(雲仙市、福岡市)に対するヒアリング調査も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度に実施予定であった監査部門に対する調査を25年度に繰り越して実施することにした点を除き計画通り進捗している。この繰り越し分は平成25年度に自治体へのヒアリング調査を実施し、監査部門と財政・会計部門の発生主義会計への認識と活用の姿勢の違いを明らかにすることにより計画目的は達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
発生主義会計の効果は行政機構のみならず、議会や市民社会にも及ぶことを考慮して総合的な観点から研究を推進する。
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Research Products
(4 results)