2011 Fiscal Year Annual Research Report
わが国における実証的監査理論の構築に向けた国際比較研究
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22330141
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
伊豫田 隆俊 甲南大学, ビジネス研究科, 教授 (60184834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 祥尚 関西大学, 会計研究科, 教授 (30219521)
林 隆敏 関西学院大学, 商学部, 教授 (50268512)
町田 祥弘 青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (50267431)
浅野 信博 大阪市立大学, 経営学研究科, 准教授 (10319600)
高田 知実 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (00452483)
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Keywords | 会計学 / アーカイバル・データ / 独立性 / リサーチ・オポチュニティ |
Research Abstract |
本研究「実証的監査理論構築に向けた国際比較研究」では、わが国の金融制度のインフレストラクチャーを構成する、証券市場の透明性を担保するための金融商品取引法に基づく企業内容開示制度において、制度としての監査がどのように機能し、いかなる役割を果たしているのかについて、経験的手法に基づく現状分析を行い、わが国監査制度についての説明理論を提示することを目的とする。かかる目的を達成するために、本年度は以下の研究を行った。 (1)2000年以降に発行された監査研究に関する5つの雑誌に掲載された実証研究に関する全ての論文を抜出し、テーマ別および手法別に分類したリストを作成する。 (2)(1)の成果を基礎に、近年の研究テーマ及び分析手法等についての特徴を析出した上で、アメリカにおける実証研究の趨勢を明らかにする。 (3)(1)の作業で抜き出した論文のうち、アーカイバル・データを用いた独立性に関する研究論文を抽出し、各論文につき解題を行う。 (4)独立性に関する先行研究についてのレビュー論文を執筆し、研究機会の提示を行う。 (5)独立性を取り扱った研究において用いられている主要な変数について、その妥当性と変数間の因果関係の検討を行う。かかる研究は、理論的基礎に基づいた実証研究を行う上で必要不可欠な基礎資料を提供するものであり、その研究の意義はきわめて大きい。また、かかる研究を通じて、よりソフィスケートされた実証研究が可能になることを考えれば、その重要性はきわめて大きいといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に記載した内容についてはすべて研究成果として取りまとめられ、当初の予定通り、『実証的監査理論の構築』(同文舘、2011年)として公刊されている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度については、昨年度の研究成果を基礎として、下記の研究を行う予定である。 (1)前年度までの研究成果の問題点と課題について追加的な検討を行い、研究内容のブラッシュアップをはかる。 (2)前年度までの研究成果に依拠しながら、研究代表・分担者が、それぞれ関心を有するトピックについて、骨太の実証研究を行う。 (3)(2)の研究成果を総括し(研究代表者:伊豫田隆俊が担当)、わが国監査制度の現状と問題点についての現状認識を前提にして、制度改革のための提言を取りまとめる。
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