2011 Fiscal Year Annual Research Report
国際比較研究の基盤となる中規模社会調査の実施モデルの確立
Project/Area Number |
22330148
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
轟 亮 金沢大学, 人間科学系, 教授 (20281769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 勇 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (80291996)
平澤 和司 北海道大学, 文学研究科, 准教授 (30241285)
田渕 六郎 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (20285076)
小林 大祐 仁愛大学, 人間学部, 准教授 (40374871)
田邊 浩 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (50293329)
|
Keywords | 社会調査法 / 計量社会学 / 国際比較 / 方法の標準化 / 調査倫理 |
Research Abstract |
本年度は、海外における中規模社会調査の実施状況について把握するために、海外において資料収集と聞き取りを昨年度に引き続いて行った。対象は、ヨーロッパ社会調査研究学会(スイス・ローザンヌ)、復旦大学(中国・上海)、GESIS(ドイツ・マンハイムおよびケルン)等である。スイスでは、ウェブ調査の利点と欠点、複数モード併用調査法や無回答バイアス、モバイル電話のRDD調査法、回答者の代表性に関する指標などについての最先端の研究成果や実践例について情報収集した。中国では、中国社会での調査実施の方法、回収率、調査員の仕事について、情報収集した。ドイツでは、CASIと従来他記式調査の併用、ウェブ調査のプリテスト利用、データアーカイビングの課題等について最新の状況を聞き取った。さらにこれらの調査法に関わる課題に関し、国内外の文献収集を進めた。 また金沢大学とお茶の水女子大学で共同して、2012年2月に新規の調査会社、およびこれまで利用してきた調査会社の2社に委託して、同一設計のウェッブ調査を実施し、リサーチ・パネル(モニター)および調査会社間比較を行うことが可能な、データ収集を行った(平成24年度の研究において分析を行う)。 また、金沢大学において郵送法実査に参画し、質問項目の開発、調査スタッフへの適切な教育体系を検討する上での事例情報を収集した。 平成23年度に本研究で実施したモニターに対するウェブ調査と、台帳からのランダムサンプルに対する個別面接法調査のデータ分析の結果を、国勢調査などのデータを基準として比較し、変数の分布、変数間の関連にみられる、差異と共通性の傾向を明らかにした。 以上の成果の一部を、学会発表、論文、図書の形で公表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海外のインフォーマントの獲得が良好に準み、海外調査を計画通りに実施することができたため。またこ適切な設計によって、ウェップ調査を実施することができ、他調査のデータ利用も順調に進められたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究組織において、情報やデータの分析をやや個別的に進めてきたので、情報を共有し、'研究をさらに有機的に連携して推進するために、研究会を適切なタイミング、頻度で開催する。海外研究者からの情報提供が今後も見込まれるが、これまで同様に、複数人の聞き取り調査によって情報収集を推進し、リポートの迅速化を図る。
|
Research Products
(11 results)