2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域のグローバル化に対応した社会福祉援助技術の開発と体系化に関する基盤研究
Project/Area Number |
22330168
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
中嶋 和夫 岡山県立大学, 保健福祉部, 教授 (30265102)
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Keywords | 国際結婚移民女性 / 多文化家族福祉 |
Research Abstract |
本研究の目的は、東アジア3カ国(日本、韓国、台湾:以下「東アジア3カ国」)に国籍を有する男性と結婚した「国際結婚移民女性」ならびにその家族(以下、「多文化家族」)のウェルビーイングの維持と向上に貢献する東アジア型の多文化家族福祉に必要な援助技術の開発と体系化にある。本年度は、専門家に相談を受けたことがある、日本、韓国、台湾に居住する結婚移民女性を対象に、専門家の対応に対する満足感に関する質的調査を行い、その結果を分析した。具体的には、約80の観点から日常の生活問題を聞き取り、その生活問題に対する専門家の対応、及び望ましい専門家の対応について調査を行った。 また、カナダとオーストラリアにおいて、結婚移民女性に対する援助技術の現状と課題について質的調査を行った。 さらに、平成22年度に、3カ国の国際結婚移民女性に対して行った家族形成継続意思の要因に関する量的調査結果をより詳細に分析した。具体的には、3カ国の国際結婚移民女性の家族形成の継続に関連する因果モデルの普遍性と要素間の関連性を実証的に明らかにした。調査内容は、妻と夫の基本属性、夫の同伴行動、夫の家事ならびに育児参加、結婚に対するコミットメント、日常的な生活関連ニーズ、コミュニケーション、エスノセントリズム、男女平等意識、夫婦関係満足感、ウェルビーイング、結婚継続期間等であった。 最終的には、研究メンバーとともに、これまでの調査研究結果に関する研究会を開催する同時に、これらの研究結果を著書として出版するための打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度においては、専門家に相談を受けたことがある、日本、韓国、台湾の居住する結婚移民女性を対象に、専門家の対応に対する満足感に関する質的調査と、平成22年度に行った3カ国の結婚移民女性に対して行った家族形成継続意思の要因に関する量的調査結果を詳細に分析する予定にしていたが、それらを達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、平成22年度と平成23年度に行った質的研究及び量的研究の結果をまとめ、学会発表するとともに、その結果を研究メンバーとともに著書として出版する。
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