Research Abstract |
研究目的 本研究の平成23年度の目的は,これまで蓄積してきた大規模既存データを用いた地域在住高齢者の認知症発症に関連する心理社会的要因を明らかにすること,2010年実施の横断調査の分析を進めることなどであった. 研究方法・結果 (1)愛知県内6自治体在住の65歳以上で,ADLが自立し要介護認定を受けていない13,295人を4年間追跡し認知症発症が673名であった.Coxハザード分析による男女に共通する認知症発症予測因子は,75歳以上,健診未受診,物忘れの自覚あり,仕事なし,スポーツ的活動なし,観光的活動なし,手段的サポート提供なし,バス・電車利用での外出不可,買い物不可,食事の用意不可,預貯金管理不可,年金の書類不可,他人の相談にのることなしで,各因子の得点化合計は17点,認知症発生割合は,1点では1.5%が6点で5.7%,11点が28.2%,15点が54.5%であった. (2)同様の対象者における趣味種類数,会への参加数と認知症発症のとの関連では,趣味5種類に対して男性では,3つ以下,女性では2つとなしで認知症発症が高かった.一方,会への参加数では,趣味とは異なり男女共にその多寡と認知症発症には関連が見られなかった. 結論 認知症予防策では,生活機能や趣味,サポートに着目することが重要で,趣味種類が多いほど予防効果がある一方,会への参加ではその多寡ではなく参加形態や役割などの検討が必要と考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度研究実施計画は,(1)既存データ分析,(2)2010年度実施調査データの分析着手,(3)文献研究の3点として取り組んできた.3点についておおむね取り組むことができた.
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