2013 Fiscal Year Annual Research Report
心理社会面に着目した認知症の予防的社会福祉に向けた縦断研究
Project/Area Number |
22330172
|
Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
竹田 徳則 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (60363769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 克則 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20298558)
村田 千代栄 独立行政法人国立長寿医療研究センター, その他部局等, その他 (40402250)
尾島 俊之 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50275674)
三澤 仁平 立教大学, 社会学部, 助教 (80612928)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 高齢者福祉 / 介護予防 / 認知症予防 / 心理社会的因子 / 縦断研究 |
Research Abstract |
平成25年度の研究は,①既存データを活用した分析として2010年度調査データの分析による研究,②縦断研究に向けて,2010年度調査協力自治体から要介護認定データの提供を受け2010年度調査のベースラインデータと結合し予備的分析を進めることなどであった. 研究方法・結果として,①2010年調査データを用い地域在住高齢者71,097人のうつの程度別の趣味の種類を明らかにした.その結果,趣味「あり」が42,129人,「なし」が28,968人,趣味「あり」のうちGDS-15による「うつなし」33,659人,「うつ傾向」と「うつ状態」は8,470人であった.うつの程度別では,男女に共通して「うつなし」は,スポーツ的,観光,文化的な趣味の種類の割合が総じて高かった.一方,「うつ傾向」と「うつ状態」では,パチンコや将棋/囲碁/麻雀が多いという特徴が示された. ②2003年下半期にA県内6自治体在住の65歳以上で要介護認定を受けていない29,374人の地域在住高齢者対象で郵送調査を実施し,そのうち2013年までの約10年間追跡可能であった6,784名について,COX比例ハザード回帰分析を用い認知症を伴う要介護認定発生予測リスクを49因子で分析した.その結果,6,784名中984名が認知症発症であった.10年後の発症を予測する主要因子として,75歳以上(HR:3.57),請求書の支払不可(HR:1.89),糖尿病(HR:1.54),買い物不可(HR:1.45),バス電車利用での外出不可(HR:1.43),観光的趣味なし(HR:1.32)などであった.今後2025年を見据えた長期的視点での認知症予防では,これらの因子に着目した施策が重要な可能性が考えられた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の研究実施計画は,①2010年度調査データの分析を引き続き進めていく,②当初計画通り縦断研究に向けて,2010年度調査協力自治体から要介護認定データの提供を受け2010年度調査のベースラインデータと結合し予備的分析を進めることなどであった.これらにおいておおむね取り組むことができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度の2014年度は,2010年度調査データの分析と2003年度調査データをベースラインデータとし,2013年までの10年間を追跡しエンドポイントを認知症の日常生活自立度判定基準ランクII以上,説明変数には心理社会的因子や高次生活機能など多因子を用いて分析する.また,抽出された因子をスコア化することで累計スコアごとでの認知症による要介護発生の割合を得る. これにより,認知症による要介護認定発生リスクをもとに専門職でなくても使え,行動変容の可能性を持つ健康行動や心理社会面,趣味活動,生活機能を中心とするリスクスコアを開発するとともに論文を執筆する.
|
Research Products
(3 results)