2011 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルワークの展開による小地域の福祉ガバナンス確率に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
22330173
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
上野谷 加代子 同志社大学, 社会学部, 教授 (40123583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武川 正吾 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (40197281)
和気 康太 明治学院大学, 社会学部, 教授 (50257060)
斉藤 弥生 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40263347)
所 めぐみ 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (00411281)
永田 祐 同志社大学, 社会学部, 准教授 (90339599)
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Keywords | 小地域福祉ガバナンス / 地域を基盤としたソーシャルワーク / 自治 |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画で掲げていた4つの目的(1.小地域単位の「福祉ガバナンス」の概念を明確化し、日本国内の事例を類型化すること、2.小地域における「福祉ガバナンス」構築におけるソーシャルワークの機能、3.住民の生活課題を解決する上でのソーシャルワークの展開、4.「福祉ガバナンス」の形態が異なる国の小地域との比較検討)のうち、主として4を中心に研究活動をおこなった。 研究メンバーで研究会を重ね、昨年度の国内調査結果および先行研究を参考にビネット(事例)を用いた国際比較のための調査枠組みを設定し、8月にノルウェーとイギリス、10月にアメリカ、11月に韓国で研究協力者・機関を対象にインタビュー調査を実施した。収集されたデータは各国ごとにまとめられ、研究会を通して共有、分析がおこなわれた。 具体的には、日本国内における対応困難事例5事例を参考に、それらの事例に対する地域を基盤としたソーシャルワークの機能や「福祉ガバナンス」構築に関わる方法、社会的資源などを導きだし、それを分析枠組みとして設定した。調査対象国では、それらの事例と分析枠組みを用い、地域を基盤としたソーシャルワークを展開している実践者および当該領域を専門とする研究者に対してインタビュー調査を実施した。 交付申請書でも示したように、福祉領域における国際比較研究は制度や法に関する比較が主で、それらの比較が必ずしも具体的なソーシャルワークの援助方法や、地域で生活を営む住民に対する具体的な支援方法にまで言及するものではなかったが、本年度の研究成果は福祉領域における国際比較の新たな調査方法の開発という点において一定の成果をあげたと考えられる。本年度の成果を、来年度以降に実施予定の「福祉ガバナンス」の比較検討に反映させ、当初の目的を達成する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年間の研究期間の半分が終了したが、当初掲げていた4つの目的のうち1と4に関してはおおむね達成した。目的の2と3に関しても、すでに研究の蓄積があり、計画通りに研究が遂行されることが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画では、来年度中にイギリスでの調査が予定されているが、すでに本年度イギリスでの調査を実施したため、来年度の国外調査対象は国を限定せず柔軟に補足調査を実施する予定である。 また、国内における調査対象地域を拡大し、より包括的かつ多角的に「福祉ガバナンス」のあり方、およびソーシャルワークのあり方について検討を重ねていく予定である。
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Research Products
(11 results)