2010 Fiscal Year Annual Research Report
ジレンマ状況におけるソーシャルワーク実践の価値生成に関する実証的研究
Project/Area Number |
22330176
|
Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
鳥海 直美 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (00388688)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與那嶺 司 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (90341031)
橋本 卓也 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (70559187)
樽井 康彦 同志社大学, 社会学部, 助教 (80551613)
|
Keywords | ソーシャルワーク / 倫理的ジレンマ / 自己決定 / 障害者福祉 / 障害児福祉 / 質的研究 |
Research Abstract |
年度内に5回の研究会を開催し、社会福祉学・臨床哲学・応用倫理学分野における文献研究を通して、自己決定概念やその原理が内包する構造的課題を整理した上で、障害者の自己決定支援にかかわるジレンマの実態を明らかにしようする本研究の意義が明確化された。また、知的障害者および障害児の自己決定支援を巡るジレンマ状況の分析視角として、他者との関係のなかで紡がれる「共同決定」という概念を用いることの重要性が確認された。さらに、次年度から実施される質的調査においては、「共同決定」の実相を、研究メンバー各自のフィールドにおいて明らかにするという方向性を見出すことができた。 一方、平成22年度厚労省老人保健健康増進等事業シンポジウム「認知症のターミナルケアを考える」(於:東京大学)の聴講を通して、対人援助職が倫理的ジレンマに直面した際の意思決定にかかわる判断のあり方や手続きに関する知識が得られたことに加えて、応用倫理学・法学分野の専門的学識が得られた。当該シンポジウムで得られた知見は、研究メンバーと共有することによって、ジレンマ状況にある実践者の意思決定過程を分析する際に援用できるものと考えられる。 さらには、研究メンバーが従来から関与している発達障害者の就労支援、障害児の地域生活支援にかかわるフィールドワークから、ソーシャルワーカーが経験するジレンマの様相を明らかにし、それらの成果について学会発表を行った。また、研究メンバーが有する既存の質的データを援用して、自己決定におけるジレンマに引き寄せたエピソードを抽出し、分析・解釈を加えることによって、論文や共著図書として発表した。
|
Research Products
(8 results)