2013 Fiscal Year Annual Research Report
ジレンマ状況におけるソーシャルワーク実践の価値生成に関する実証的研究
Project/Area Number |
22330176
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Research Institution | Shitennoji University |
Principal Investigator |
鳥海 直美 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (00388688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與那嶺 司 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (90341031)
樽井 康彦 龍谷大学, 社会学部, 講師 (80551613)
橋本 卓也 大阪保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (70559187)
森口 弘美 同志社大学, 社会学部, 助教 (10631898)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 社会福祉学 / ソーシャルワーク / 自己決定 / 倫理的ジレンマ / 障害児者 |
Research Abstract |
本研究の意義は、「弱い個人」や知的障害者を排除しかねないという構造的矛盾を孕むなど、近年の自己決定概念を巡る規範研究上の課題に対して、実証的研究でもって応えることである。障害児者の自己決定支援を巡るジレンマ状況において、自己決定に代わるソーシャルワークの価値が、どのように生成されているかを明らかにするために、以下の5つの質的調査を実施した。 [調査1]知的障害者入所施設の支援者が経験する自己決定支援を巡る価値とジレンマ,[調査2]知的障害者の暮らしの場を模索する支援プロセスにおける葛藤,[調査3]発達障害者の就労支援における指導員のジレンマ状況と価値規範に関する研究,[調査4]触法障害者に関わって生じるジレンマと解決プロセスに関する研究,[調査5]知的障害をもつ中高生が取り組む自立生活プログラムの開発 これらの調査の結果、自己決定に拠らないソーシャルワークの価値として、本人の抱く将来の思いを支援者が汲み取り、生活支援の場でそれを実現しようとする「共同決定」という価値や、本人の最善の利益を特定する過程において、本人の希望や心情、信念、価値観という極めて個人的な要素に重きを置く「主観的ベスト・インタレスト」の尊重という価値を実践基盤とする支援の内実が探索的に明らかになった。これらは、他者や社会との関係性を視野に入れながら、本人のこれまでの経験や生き方という主観的な幸福を尊重する支援を志向する価値であるといえる。 さらに、本人が支援者と共に意思決定を行う過程や、本人の「主観的ベスト・インタレスト」を選定していく過程は、アドボカシー実践にも通底するものである。そこで、障害児の意見表明権、および、障害者の自己決定権の保障に根ざしたアドボカシーのあり方について、研究を展開していくことの重要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)