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2012 Fiscal Year Annual Research Report

保育の場、学校、企業における発達障害に関する理解教育プログラムの開発

Research Project

Project/Area Number 22330186
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

徳田 克己  筑波大学, 医学医療系, 教授 (30197868)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西館 有沙  富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (20447650)
水野 智美  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90330696)
Project Period (FY) 2010-04-01 – 2014-03-31
Keywords発達障害 / 障害理解 / 理解教育 / プログラム
Research Abstract

①中学生に対する発達障害理解教育プログラムを作成した上で、1校4クラスのそれぞれにおいて授業を実施し、その効果を事前事後法による質問紙調査によって測定した。対象児は中学1年生の160名であった。その結果、今回作成したプログラムは、発達障害の大きな特徴の一つである「感覚異常」の知識を増やし、たとえ自分とは異なる感じ方(音、皮膚、味)をしていても特異な存在とはみなさないという態度を形成するに有効であることが確かめられた。
②保育者延べ536名(149園)に対して、6回に分けて発達障害理解プログラムを用いた講座を開催し、効果を測定した。その結果、「子どもがわかる保育を提供する」ことに焦点を当てた保育者向けの発達障害理解プログラムは、極めて高い研究効果を有することが確認された。特に、問題行動の対処や偏食に対する指導において効果が顕著であった。
③発達障害児の学校生活を描いた物語の内容分析を行い、小学校・中学校の教師の研修用教材として活用する可能性を検討した。その結果、主人公である発達障害児が状況を把握できずに困惑したり混乱したりする場面では、教員の対応の失敗と成功の両方が描かれている点においてすぐれており、加えて、物語にはアスペルガー障害のさまざまな特性が具体的に描写されているので、障害特性を学ぶための教材としても活用できる点が高く評価された。④海外調査によって障害に関する理解教育の資料を収集した。発達障害のとらえ方は文化によって大きな差があり、教育開発途上国では厳しく指導することが効果的であるとされている現状があった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

まず、中学生に対する発達障害理解教育プログラムを作成した上で、試行的な授業を実施し、その効果を事前事後法による質問紙調査によって測定できた点は研究を大きく前進させた。、今回作成したプログラムは、発達障害の大きな特徴の一つである「感覚異常」の知識を増やし、たとえ自分とは異なる感じ方(音、皮膚、味)をしていても特異な存在とはみなさないという態度を形成することを主目的にしたが、非常に有効であることが確かめられた。ただし、修正すべき点も多数確認できたため、プログラムの修正を行うことができた。
また、保育者延べ536名(149園)に対して、6回に分けて発達障害理解プログラムを用いた講座を開催し、プログラムの効果を測定したが、「子どもがわかる保育を提供する」ことに焦点を当てた保育者向けの発達障害理解プログラムは、極めて高い研究効果を有することが確認された。特に、問題行動の対処や偏食に対する指導において効果が顕著であった。このプログラムは著書等で紹介して保育現場で活用される見通しである。
さらに、発達障害児の学校生活を描いた物語の内容分析を行い、小学校・中学校の教師の研修用教材として活用する可能性を検討し、これが障害特性を学ぶための教材として活用できる点が高く評価された。
加えて、海外調査によって障害に関する理解教育の資料を収集し、発達障害のとらえ方は文化によって大きな差があり、教育開発途上国では厳しく指導することが効果的であることが確認された。すなわち、画一的な汎用プログラムを作成しても、効果は高くないことが知見として得られた。

Strategy for Future Research Activity

これまでに得られた発達障害者に対する認識調査の結果、幼稚園・保育所、小学校、中学校における発達障害理解活動の状況をもとに、各年齢層における理解教育プログラムを作成して、実際に保育現場、教育現場で教育実践を行ったが、学校向けのプログラムはまだ完成段階にはないので、さらに修正していく必要がある。成人向けのプログラムは作成できているので、今後はこの効果を検証したい。
プログラムには、発達障害理解をメインにした内容だけではなく、様々な研修に組み込む形の「ブロック型」のプログラムもあるが、今後はブロック型のプログラムの開発に力を注ぐ予定である。

  • Research Products

    (7 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 発達障害児の学校生活を描いた物語『架け橋』の内容分析2012

    • Author(s)
      西館有沙,徳田克己
    • Journal Title

      全南大学東アジア研究所紀要

      Volume: 3 Pages: 19-24

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 保育の場における発達障害に関する理解指導I-保育者は発達障害のある子どもについて周囲の子どもたちにどのように伝えているか

    • Author(s)
      水野智美,西館有沙,安心院朗子,西村実穂,大越和美,徳田克己
    • Organizer
      日本特殊教育学会第50回大会
    • Place of Presentation
      つくば国際会議場(つくば市)
  • [Presentation] 発達障害児の保護者がクラスメートに伝えたい内容-障害理解の視点から-

    • Author(s)
      吉田映理子,水野智美,西館有沙,西村実穂,徳田克己.
    • Organizer
      第71回日本公衆衛生学会総会
    • Place of Presentation
      山口市民会館(山口市)
  • [Presentation] 幼児に対する発達障害理解指導プログラム

    • Author(s)
      水野智美、徳田克己
    • Organizer
      第5回アジア子ども支援学会
    • Place of Presentation
      ホーチミンシティ
  • [Presentation] 保育の場における発達障害理解指導3

    • Author(s)
      水野智美、徳田克己、
    • Organizer
      第77回日本心理学会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
  • [Presentation] 発達障害理解指導に関する小学校教員の認識2

    • Author(s)
      西館有沙、水野智美、徳田克己
    • Organizer
      第77回日本心理学会
    • Place of Presentation
      札幌コンベンションセンター
  • [Book] 気になる子の保育のための運動あそび・感覚あそび その具体的な指導法2013

    • Author(s)
      徳田克己
    • Total Pages
      143ページ
    • Publisher
      チャイルド本社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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