2010 Fiscal Year Annual Research Report
ポジティブ心理学モデルによる人間力育成のための心理教育的介入法の開発
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22330193
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小玉 正博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00114075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 直樹 北翔大学, 人間福祉学部, 講師 (90453290)
石村 郁夫 東京成徳大学, 応用心理学部, 助教 (60551679)
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Keywords | ポジティブ心理学 / 健康生成 / 肯定的心理資源 / 心理教育的介入 / 人間力育成 |
Research Abstract |
(1)目的:ポジティブ心理学モデルに基づき、同時に日本文化の特質を活かした人間力(human strength)成長のための心理教育的介入プログラムを開発・実施し、その介入効果について検討する。(2)方法:被験者は大学生で、介入群23名(男5名、女18名;平均年齢=20.35[SD=2.762])、アクティブ統制群22名(男10名、女12名;平均年齢=20.59[SD=2.702])、統制群22名(男12名、女10名;平均年齢=20.05[SD=3.90])である。介入群は5週に渡り、(1)セルフトーク・ワーク、(2)"書"のワーク、(3)強みの種発見・ワーク、(4)リフレーミング・ワーク、(5)感謝ワークの5つの心理教育的介入プログラムに参加した。各ワークでは参加者にテキストで活動内容の学習と実習を行い、1週5日のホームワークがメール送信され、その実習内容の報告を求めた。アクティブ統制群には5つの介入ワークのテキストをメール配信し、その感想レポートを求めた。統制群には課題は提示されなかった。開発された心理教育的介入プログラムの効果測定のために、心理変数(本来感、自尊感情、心理的well-being、抑うつ、希望)の測定が本プログラム実施前と終了時、フォローアップ時の3回行われた。統制二群も介入群と同様に心理変数の測定が三回行われた。(3)結果:介入プログラム実施前後およびフォローアップ時の心理変数の変化量の分散分析の結果、(1)介入群では本来感、自尊感情、心理的well-being(人生の目的、自律性、環境制御力)、希望(計画成分、意志成分)が増加し、フォローアップまで増加し続けた。(2)アクティブ統制群では本来感、自律性、希望(意志成分)が増加した。一方、(3)統制群では自尊感情、人格的成長の減少が認められた。(4)介入群は統制二群よりも人生目的、環境制御力、積極的他者関係で向上、うつ傾向で減少が認められた。(4)結論:今回開発された人間力(human strength)成長のための心理教育的介入プログラムが被験者の肯定的心理資源の促進、強化に有効な方法であることを示した。
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